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外国人居住者が多い広島で、
ふとしたきっかけで外国人の生活支援を開始。
真のグローバル化を願いながらの活動は、
他にはない活動として広がってきている。

中国地方の中枢都市として、100万人を超える人口を抱え、外国人居住者も多い広島市。
困っている外国人の手助けをしたいと、外国語や法律の知識を活かして、リロケーション、外国人妻のコミュニティづくり、人権問題(LGBT)など、様々な課題の解決に向けたアクションを起こしている。

広島への移住の経緯を聞かせてください。

父が鹿児島出身、母が広島出身で、小さいころは鹿児島に住んでいましたが、大好きな母方の祖父母のいる広島へは、夏休みのたびに遊びに来ていました。第二のふるさとでした。
子どものころから、都会的な部分と自然が適度に混ざり合っている広島は、非日常感もあいまって好きな場所でした。広島は、「楽しく温かな場所」として心の中に根付いていて、いつか広島に住みたいなあと漠然と思っていました。
結婚して子どもができて子育ての環境を考えた時、広島移住を決めました。自然の恵みは,むしろ鹿児島の方が豊かなのかもしれませんが、仕事をしながら子育てをする上で、ビジネスチャンスや親戚も多い広島へ足が出向いたのは、自然の流れだったように思います。
アメリカ人の夫は、横浜で英語の教師をした後、一旦帰国しましたが、やはり日本に行きたいと思った時、ある程度の都市機能も自然もあるところがいいということで、名古屋か広島へと思っていたみたいです。広島に来てみて、ここだと思ったようで再来日し、私とはそこで出会い、結婚しました。アメリカ人にとっては、HOMEがあるところがふるさとだということもありますが、今も広島が気に入って暮らしています。

広島では,どのようなお仕事をされていますか?

もともと幼児教室の講師や音楽教室を主宰しておりましたが、外国人のサポートや困っている人を助けたいという思いで、行政書士の資格を取り、いくつかの仕事に従事しています。そのひとつが「リロケーション」です。広島県内の企業から依頼されることが多く、海外から転勤してきた外国人移住者向けに、日常生活全般をサポートする仕事をしています。
仕事のプロジェクトで移住された方は、基本的に数年で帰国されるケースが多いため、日本語はほとんど話せません。そのため、引っ越し後の行政の手続きから家電の使い方、ゴミ分別の方法等、まず安心して住めるためのサポートに始まり、生活し始めてからの情報提供やサポートを行います。特に病院に関しては、英語で症状を話しても通じないことも多いです。
広島大学や研究機関が集積している東広島市では、最近,アメリカ資本の会社が入ったこともあり、2年前頃からニーズが高まっています。
広島には、リロケーション業務を扱う会社がないため、今は名古屋の会社と提携して支援を行っています。広島のスタッフは私を含め3〜4人しかいなくて、まだまだ人手が足りない状態です。

その他外国人向けのサポート活動をされていますか?

広島に移住してきた「外国人妻」への支援をしています。ある日、アストラムライン(広島市内を走る新交通システム)に乗っていると、私の子どもがハーフに見えたからでしょうか、外国人の女性の方から「英語が話せますか?」と声をかけられました。その方もそうだったのですが、日本人男性との結婚を機に移住したものの、日本語が話せないために外部との接点がほとんどなく、自宅に籠りがちになる外国人妻がとても多いそうです。そんな孤独を解消する外国人の妻同士のコミュニティづくりを目指しています。
現在一緒に活動している友人は、イギリス人男性と結婚し、10年以上イギリスに住んでいましたが、現地の日本人妻コミュニティの存在が,当時とても心の支えになったと言います。そんな経験から、同じ境遇にある外国人妻たちのケアをしたいと一緒に立ち上がりました。具体的には、FaceBookやネットで呼びかけるのですが、そもそも孤立し、孤独を抱える人は情報収集ができていないのです。今後どうやってアプローチしていけばよいか悩んでいます。
広島は外国人が多いのに、支え合えるコミュニティがあまりに少ないです。行政にも協力してもらいながら、少しずつ存在を知ってもらえるよう、草の根活動を続けていきたいと思います。

また、「LGBT」に関する支援にも取り組み始めました。
最近のことですが、ある外国人の友人から、同性パートナーの在留資格について相談がありました。調べてみると、国によって制度が大きく異なり、LGBTの問題は、性教育の問題ではなく、アイデンティティや人権の問題なのだということがわかって、大変なショックを受けました。まずは、教育の中で正しい知識を与え、差別感を無くしていくことから始めなければなりませんが、広島にはこの分野の専門家はあまりおられませんので、私のところにも、色々なところから、相談や講師のお話をいただくようになってきました。

4人のお子さんがおられますが,広島での子育て環境はいかがですか?

とても満足しています。広島市東区にある牛田(うした)は、広島市中心部からも徒歩圏内の街中にあるのに自然が多いです。目の前に川もありますし。
もし、首都圏に移っていたとしたら、自宅と仕事、子どもの学校や習い事への移動時間にかなり時間を費やしていたかもしれません。ほどよい広島は、いいですね。特に、広島市内は、バス、電車ともに交通アクセスが充実していて助かります。夫は、ほとんど自転車で移動しています。

私が携わった外国人移住者は、皆さん広島をとても気に入っておられ、ほとんどの方が「人が優しい」とおっしゃいます。それに、広島市中心部でも川がきれいで、広い公園など、自然が近くにあること、宮島などの世界遺産があることも喜ばれます。
しかし、サポートのない外国人移住者にとっては、まだまだ優しい街とは言いがたい部分があります。例えば、現地の情報を知るためのホームページも、日本語が英語に訳されているだけで、移住者にとっては利用し難い部分が多々あります。情報が機械的に英語化されていても、ネイティブの方には通じないことが多いですから。

それから、私が住んでいる牛田の特徴かもしれませんが、ひとクラスに、親が外国人の子が2、3人いて、特別扱いされずに伸び伸びと学ばせてもらえています。
また、街中にありながら,地域のおじいちゃんおばあちゃんが通学路を自転車でパトロールしてくれていたり、地域ぐるみで子どもを育てていくという昔ながらの価値観が大事に残されているように感じます。私たちも積極的に子ども会の行事や、神社・商店街のお祭りなどに参加し、楽しんでいます。
すぐ近くには、白潮公園(はくちょうこうえん)という、川辺にある芝生の大きな公園があり、しょっちゅう行きます。芝生の公園は、アメリカ育ちの夫にとって心地よいみたいです。外国人も多く見かけますよ。
教育面では、インターナショナルの幼稚園が広島市内に比較的多くて助かります。今後「国際バカロレア」資格が取得できる学校ができれば、子育てのために広島へ移住する人も増え、町が活性化していくのではないでしょうか。

広島への移住を検討している方へメッセージをお願いします。

広島は、多くの人にチャンスを与えてくれる風土があると感じています。
行政としても、創業支援に力を入れています。私も行政書士業の一環で「創業支援サポーター」として行政の相談業務に携わっていますが、女性の起業相談も多く、元気な方が多い印象です。国際都市ならではのニーズで、外国人観光客向け事業での起業希望者も多いです。異なる文化・価値観の方が生活・観光をする上で困っていることはまだまだたくさんあります。例えば、ベジタリアンの方が通えるレストラン、食品等の成分表記等々で困っていることをよく耳にします。
広島を選んでくれた外国人の暮らしやすさを実現するため、各方面でまだまだ改善の余地ありと思います。逆に言えば、本当に多くの可能性が転がっている都市だと思います。
私がやっている「外国人の生活支援事業」も、広島はまだまだ人手が足りていません。行政だけに頼らず、民間でフォローしていく必要性があります。ぜひ力を貸してほしいです。

野元さんのある土曜日の時間の使い方
6:00

起床・ウオーキング
大芝水門をスタートに、太田川の土手沿いを一周するウォーキングコースに行きます。人気のコースで、朝からたくさんの方がいます。

8:00

お仕事・家事
8:00

こまごまとした事務処理やお仕事の打ち合わせを自宅にて行います。合間をみて、家族の朝食と、子どもたちの塾用のお弁当を2つ作ります。

9:00

小学生の子どもを見送り
小学生の子ども2人を広島駅近くの塾に送ります。お仕事がある時は、2人で仲良くバスで行ってくれます。

10:00 幼稚園の子どもと外出
幼稚園の子どもの習い事に本通り(広島市中心部)に出かけます。習い事が終わるのを待っている間に、本通り周辺でお買い物をしたり、カフェに入ってお仕事をします。

12:00

子どもをお迎え、公園でランチ
研修やお仕事の予定がなければ二人でランチをしたり、お天気が良いと平和公園や縮景園でランチしたり、雨だと県立美術館やこども文化科学館、図書館に寄り道して帰ります。

14:30

帰宅、おやつタイム
自宅に戻り、子どものおやつのために手作りのお菓子を作ります。

15:00

子どもと一緒に遊びます
近くの公園で自転車に乗ったり、自宅屋上で遊びます。

16:00

子どものお迎え(1)
小学生の子どもの塾のお迎え 

17:00

子どものお迎え(2)
もう一人の小学生の子どものお迎え

17:30

近所の公民館へ
小学生の子供たちは、近くの公民館で少林寺拳法を習っています。幼稚園の子どもと一緒に行って見学しています。

19:00

夕食
自宅に戻って皆で夕食です。

21:00

寝かしつけ、仕事
子どもたちを寝かしつけて、仕事をします。

24:00

就寝

野元 惠水さん

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