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☆セミナーレポート☆地方での「暮らし」と「しごと」ってどうなの?「広島県・山口県合同移住セミナー」を開催しました。

☆セミナーレポート☆地方での「暮らし」と「しごと」ってどうなの?「広島県・山口県合同移住セミナー」を開催しました。

【セミナー全体】
 かつては地方移住といえば、「リタイア後の悠悠自適な田舎暮らし」というイメージがありましたが、近年では若い世代の移住相談が増加しています。若い世代の移住希望者が、地方での新しい働き方、新しいライフスタイルに魅力を感じている一方で、その受け皿は全国的に未整備なのが現状です。
 そこで、広島、山口両県での「創業」「暮らし」「就職」の課題と展望をテーマに、7人のゲストにお話を聞きました。ライフスタイル、ワークスタイルに関する数々の講演などを行っているコーディネーターの石川貴志さんが、7人の想いを独自の視点から掘り下げてくださり、これからの地方移住の新しい方向性が見出せるようなセミナーになりました。

コーディネーター 石川貴志さん

広島県出身。「一般社団法人ワーク・デザイン・ラボ」代表。東京都内の企業に勤務する傍ら、「働き方と組織の未来」をテーマにしたダイアログセッションや地方移住者の創業サポートなどを行っている。

【第1部】 創業

<趣旨>
 ベンチャー起業の立ち上げや空き家を活用したお店の経営など内容はさまざまですが、最近は地方での創業を目指す移住希望者も増えています。自分らしさを生かした創業に有益な“人とのつながり”ができやすいのも地方の魅力のひとつ。しかし、具体的な構想から実現に至るのは簡単なことではありません。
 「地方で創業したいけれどどうやったらいいの?」という疑問を払拭して、創業希望者が確実な一歩を踏み出せるよう、Uターン起業家の実体験と創業サポーターによるアドバイスを、コーディネーターの進行によってクロスさせてみました。

● 塩満直弘さん
<プロフィール>
山口県出身。同県萩市で、「人が集まる場所」をコンセプトとしたゲストハウス「ruco」や、バー「coen」を経営。大学在学中にカナダに留学し、東京都内のスポーツメーカー勤務などを経て現在に至る。
<発言要旨>
 起業をするにあたっては、自分がやりたいことに近いことをやっている人を見つけて会いに行くようにしていました。実際にその場所を自分の目で見て、その人がどんな想いでやっているのかを聞いていると、本や記事などには書いていないことも知ることができました。また、自分がやりたいと思っているイメージをその人に話すようにしていましたね。
 他方で、大変だったことはモチベーションの維持です。「萩でゲストハウス?」「実現するのは難しいのでは?」などと人に言われたりして、心が折れそうになることは何回もありました。そんなときでも自分のモチベーションを保てるように、『自分は間違っていない』という信念をちゃんと持っておくことが大切だと思います。

●福田稔さん
<プロフィール>
広島県出身。新宿区立高田馬場創業支援センター施設長などを経て、(一社)日本イノベーションマネージャー協会代表理事。首都圏から広島に移り住んで起業する人たちの創業支援にも力を入れている。
<発言要旨>
 塩満さんがおっしゃるような心の揺れはよくあることです。心がぶれると取り組みもぶれるので、結果としてゴールまで遠回りすることになってしまう。創業の大目的は幸せになることですから、まわりの人の幸せにもつながるはずだという社会的な価値にも目を向けることで、心の揺れは抑えられます。自分のためだけなら妥協できますが、他人のためだと手を抜けないですからね。
 そして、自分の構想に社会性を持たせるには、言葉にして人に伝えることが重要です。成功までの計画を頭の中で描いているだけではダメ。いろいろな人の意見を聞いて、それらを謙虚に取り入れて計画を修正していく。きちっと初志を堅持しつつも柔軟に対応していくことが成功の秘訣だと思います。

【第2部】 暮らし

<趣旨>
 地方での自己実現を伴うライフスタイルは、単に自然豊かな地域で新しい暮らしを始めるということだけでは確立できません。自分なりに働き方を工夫することや、仕事や活動に信念をもって取り組むことができるかどうかも重要ではないでしょうか。
 子育てと仕事、社会活動にエネルギッシュに取り組む2人の女性に、コーディネーターによるリードのもと、移住前後の生活の変化や、自分らしいライフスタイルを実現していく過程などについて語っていただきました。家族連れの参加者も目立ち、和気あいあいとした雰囲気となりました。

● 堀江美由紀さん
<プロフィール>
東京都出身。都内の住宅メーカーなどに勤務した後、夫の実家のある広島へ移住し、夫とともに保育園・ベビーシッターサービス運営会社(株)くうねあを設立。子育てをしながら事業を運営している。
<発言要旨>
 移住前の職場では、残業も多く、帰宅時間も深夜になることもしばしば。ゆとりを持てるのは月に数日でした。今も仕事の忙しさはあまり変わりませんが、豊かな自然が身近にあってリフレッシュできる環境なので、ストレスを溜め込むことがなくなりました。
 仕事と家庭のバランスが大事とよく言われますが、私は夫と一緒に仕事をしているため、いい意味で仕事と家庭の境目がなくなり、うまく融合できたと思います。
 また、移住前にやっておいて良かったことは、移住後の暮らしのイメージを膨らませるために事前調査をしたことと、東京の友人たちと疎遠にならないようにつながりを保っておくことです。そのため、不安を感じずに新生活をスタートできました。

● 渡辺ちい子さん
<プロフィール>
埼玉県出身。田舎遊びの会ゆるり代表、ライフスタイル協同組合理事。夫の転勤により東京から山口へ移住。夫の帰京後も3人の子供と山口に残り、農業体験イベントの企画などを行っている。
<発言要旨>
 夫が山口に転勤した後、私も勤務先と交渉して転勤しました。期間限定の暮らしを想定していましたが、せっかく山口に来たのだから何かやったことのないことがやりたい!と思うようになりました。その後、地域の人たちとのさまざまな出会いがあって現在の活動を始め、今に至っています。
 田舎遊びの会では、農家の方の田んぼにお邪魔して、田植え体験などをさせていただいています。自然の中でみんなでご飯を食べると、普段は野菜が嫌いな子もよく食べるし、農家の方も喜んでくれます。
 3人の子供の子育てと地域活動。以前よりもやることが増えて忙しくなりました。でも、地域のために何か役に立てるのではないかと思うと、これからも頑張ろうと思えます。

【第3部】 就職

<趣旨>
 若い世代の移住希望者にとって、どのような仕事に就いて生計を立てていくかは、まず一番に考えなければならない大事な問題です。しかし、希望に合う仕事が見つからないこともしばしば。人材を欲している地方の企業と求職者の情報が相互に結びついていないためです。
 第3部には、経済団体のメンバーでもある企業経営者、移住先で仕事を見つけた人、人材紹介会社のキャリアコンサルタントが登場。地方での就職、とりわけ企業と移住者のマッチングについて、立場の異なる3人の興味深い経験や見識をコーディネーターに引き出してもらいました。

● 三浦宏之さん
<プロフィール>
長野県出身。東京のラジオ局勤務後、山口県周防大島町の地域おこし協力隊として家族で同県に移住。現在は、農業のほか、エフエム山口の番組制作者、フリーランスの雑誌ライターとしても活動している。
<発言要旨>
 健康と食に関するラジオ番組を担当したのをきっかけに、農業に興味を持ち、妻と息子、娘の4人で移住しました。農業を始めたものの、やはり農業収入だけでは難しい。農業である程度の自給自足をして、現金収入も得る…というのがおすすめです。私は、ラジオや雑誌の仕事もしており、「半農半ラジオ+α」という感じです。
 「地方に就職先はあるのか?」という質問をよく受けますが、思ったよりもあるという感触。移住後に、地域の人たちに自分の人となりを知ってもらうことで、仕事がくることもあります。観光業で土日だけ働いてほしい、という話もあったりするので、自分がやりたい何かが基本にあって、それに+αという働き方もしやすいと思います。

● 森信秀樹さん
<プロフィール>
広島県出身。森信建設代表取締役、広島経済同友会代表幹事。企業側が移住者を受け入れる意識の醸成に注力しているほか、県外からの就職希望者と県内企業の個別マッチングにも取り組んでいる。
<発言要旨>
 若い世代の移住希望者が増え、求める働き方も多様化しています。それに対して企業側がどう対応していくかが課題です。柔軟な働き方を求める求職者を、「あの企業なら」と思った企業にダイレクトに紹介してうまくいった例もあります。仲介がなければ結びつかなかっただろうし、求職者リストを企業に投げるだけでは実現できなかったはず。こうしたオンデマンド型のマッチングを実現するため、中途採用のポータルサイトを、広島経済同友会のホームページに間もなく開設する予定です。
 マッチング率を上げるために、就職を希望する人にお願いしたいのは、希望する働き方や待遇をできるだけ具体的に示してほしいということです。そして、やはり実際に経営者に会ってみてほしいですね。
 
● 江口友二さん
<プロフィール>
福岡県出身。人材紹介会社アソウ・ヒューマニーセンター広島支店長。東京、大阪などへの9回の転勤を経験し、広島は3回目。現在は、東京から広島へのUターンの支援にも力を入れている。
<発言要旨>
 広島、山口両県内の企業の採用の特徴としては、首都圏で活躍した人を好む傾向があります。東京で鍛えられた人、スピード感を持っている人が歓迎されるようです。他方で、首都圏からの人材ということで企業側が構えてしまうことがあるのも現状。しかし、就職後はうまくいっているケースが多いので、成功例が増えていけば、そうした企業側の懸念も払拭されていくと思います。
 柔軟な働き方という点に関しては、ワークライフバランスの重視など企業の側でも変化の兆しが見えます。そして、最近は40歳代以上の人材の積極的な採用を企業に呼びかけているところです。実際に、週3日のパートタイムですが、86歳の元銀行員の方が採用されたケースもありました。

【セミナーを終えて】
 地方での暮らしを検討する際に最も気になる「仕事」ですが,地方で新たなチャレンジをしようという意欲ある移住者が,それに見合った仕事を見つけるには,既存の仕組では対応できていないと感じます。そのような中,広島県では,民間の経済界,人材紹介会社,創業サポーターや素敵なライフスタイルの実践者とのつながりをつくっており,東京・有楽町の「ひろしま暮らしサポートセンター」と広島県庁の地域力創造課の両輪で,東京圏からの移住希望者の「仕事づくり」「仕事探し」「暮らし」を具体的に支援していきます。広島暮らしに興味を持たれた方は,是非,「ひろしま暮らしサポートセンター」へお越しください!

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