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INTERVIEW

Jリーガーとイベントプランナーが広島で会社を立ち上げた。日常の中に非日常がある“贅沢な”環境を魅力として活用していきたい。「スポーツ島」構想も夢のひとつです。

中島 浩司 / 奥 大地さん

千葉県/大阪府 → 広島県
2008年
中島 浩司さん 千葉県 → 広島県 株式会社ベアフット/代表取締役 1977年大阪生まれ 家族5人暮らし(妻・息子2、娘1) 奥 大地さん 大阪府 → 広島県 株式会社ベアフット/ディレクター 1973年広島生まれ 家族5人暮らし(妻・息子2、娘1)

サンフレッチェ広島などで活躍した中島浩司さんと、高校時代に陸上選手だった奥大地さんが、広島で株式会社ベアフットを立ち上げた。広島のゆとりある生活環境を楽しみ、情報に手が届きやすい、人がつながりやすい風土に可能性を感じながら、瀬戸内海の島を「スポーツ島」にする夢も抱きながら事業を展開している。

広島に住むことを決意されたのはどのような理由からですか?

【中島浩司さん】
大阪生まれで、中学・高校は仙台でした。
サッカープレイヤーとしてサンフレッチェ広島への入団を機に広島へ来ましたが、当時は、緑の多い街という印象でした。どこにいても山が見えて四季が感じられ、街中に自然があるというよりは、自然の中に街が入り込んでいるという感じです。
家族は私が選手時代からこの地に馴染み、多くの人とのつながりができていきました。
私は、来たばかりの頃はサッカーのことしか考えていませんでしたが、住んでいるうちに「広島の生活」に惹かれていきました。自分の好きな生活スタイルを広島だからこそ体現できているという実感もありました。それで、34、5歳の時に広島に住むことを決めました。

もし、もっと若い時に広島に来ていたら感じ方が違っていたかもしれません。若者には物足りないかもしれないことが、少し年齢を重ねて広島の良さとなって伝わったように感じます。
広島には日本が凝縮されているような印象があります。夏はすごく暑いけど冬は雪も降って寒暖の差があり、四季がはっきりしている。広島はまるで小さな日本ですね。

広島で立ち上げられた会社のことを教えてください。

【中島浩司さん】
サンフレッチェ広島に在籍していた2011年に東日本大震災が発生しましたが、妻の実家も仙台なので、家族や友人もいて、他人事ではありませんでした。
チャリティー活動(Tシャツの販売で売上金を寄付)を始めましたが、運営面では全くの素人だったので、誰かコーディネートできる人をつけたほうが良いというアドバイスをもらい、奥大地と引きあわせてもらいました。それが一緒に会社を作るきっかけになりました。

チャリティー活動を通して、人の力を借りながら、それぞれが出来ることをして大きな動きになっていくことにやりがいを感じ、広島に住んでからは、広島がそういった可能性に満ちていることを実感しました。
現在は、スポーツ関連の企画・主催・出演など幅広くやっています。
私自身は、サッカーの解説者として地方の番組やトークショーにゲストで出演させていただいたり、表に立つことが多いです。
奥は、イベントを企画し、コーディネートして具現化していきます。
裏側が全部できる人間(奥)と表側を担う人間(中島)がくっついて、セットで補い合いながら活動しているような感じです。

広島の生活や仕事の環境はいかがですか?

【奥大地さん】
広島市西区観音で生まれましたが広島にいたのは2歳までで、その後、名古屋や関西で育ちました。父親は登山家で、私は陸上をやっていました。大学は広島で、大学時代にJリーグが発足しました。2002年日本へワールドカップを誘致するキャンペーンに参加したことがきっかけで、サッカー関係のウェブサイトの記者やイベント会社のスタッフとして、通信関係のキャンペーンを制作して働いていました。これで企画力が身についたのではないかと思います。
また、情報を集めるのが得意なのですが、これは、子どものころから一人で全国を放浪するのが好きだったことも影響していると思います(笑)

広島は都市と海と山が近いと言われますが、海で言えば、しまなみ海道など橋でつながった島がいっぱいあることが大きな魅力だと思います。島を丸ごと使って、合宿地やナショナルトレセンとなるような西日本の拠点、「スポーツ島」を作りたいというのが夢です(笑)
また、山で言うと、広島市の中心部から少し出ればスキーなどの外遊びが容易にできます。スキー場の数が日本トップクラスだということを広島に来て初めて知りました。午前中スキーに行って、午後から広島市内で仕事をするようなこともあります。
それから、都市で言えば、広島市の中心部に出れば充分物が揃いますし、広島にはスポーツでも企業でも全国トップクラスの色々な要素があります。それから広島市内は小さなデルタ地帯ですが、中州ごとに色鉛筆のように色が違うイメージで、「橋を渡れば別世界」というような感じを受けます。

【中島浩司さん】
海で言えば釣りも魅力です。ずっと船釣りが夢だったのですが、身近に船の所有者が多くて、乗せていただいたり自分で漁船を頼んだりと容易に実現し海に出る機会が増えました。
広島は極端な混雑もないし、どこでも、気合いを入れていかなくても気軽に行けるところだと思います。都会に住みながら非日常が味わえるのはすごく贅沢なことだし、そうした「贅沢」が周りにたくさん転がっていると思います。

広島の地域としての課題はどんなことだと思いますか?

【奥大地さん】
広島の人が、当たり前と思っているものには、魅力が隠れています。例えば、広島の路面電車や瀬戸内海を走るJR呉線。日常の移動手段としてみたら普通の電車で当たり前のことですが、角度を変えて見てみたら、歴史ある他県の路面電車が市内を走っていたり、瀬戸内海のしまなみを見ながら移動ができたり首都圏では考えられないですよね。
広島には、「日常」の中に「非日常」的な魅力を持つ要素がたくさんあります。ただ、埋もれている魅力をうまく発信できていないので、それらの垣根を越えて、僕達が何かできたらと思っています。僕一人ではできませんが、様々なジャンルの人に助けてもらいながら組み合わせていけたら面白いのではないかと思っています。
それから、広島の人は少し控えめな感じがします。

【中島浩司さん】
そうですね。広島では、人と人の横の繋がりの中で縦の繋がりも生まれ、沢山知り合いがいるのになかなか物事が動かないというケースは多いです。他の地区だったら、これだけ知り合いがいたら何とかなりそうな事がガッといかない点で、広島は保守的な感じもします。
ただ、どこに行っても知り合いがいて、情報を得やすく、すぐに業界の動向とか分かるので手っ取り早いです。広島で何が起こっているかを把握しやすい。
広島は自分が頑張れば頑張るほど手が届く位置に「情報」がある。地に足をつけてやっていける気がします。そこに「ノリ」とか新しいものを加えて魅力を増していければいいですね。

【奥大地さん】
実をいうと、東京からはオリンピックの絡みもあって「スポーツ関係の仕事で、関東に来ないか?」と結構誘われました。やりたいなとは思いましたが、ハードル高いなと思ったし、その環境で私みたいなタイプの人間が「楽しめる」のだろうかと考えました。
私は「ゆとりをもって楽しみたい」というタイプ。朝スキー行って昼から仕事したり、そういうことをしたい人間なので広島は最適ですね。

首都圏から移住を考えている方へメッセージをお願いします。

【中島浩司さん】
首都圏を知っているからこそ、広島の良さが分かるのではないかなと思います。
先ほども言いましたが、僕ももっと若い時に広島へ来ていたら、物足りなく感じていたかもしれない。
広島にずっと住んでいる人は「広島は何もないよ」「広島は別に…」とか言いますが、年も重ねて外から来た人から見るとすごく恵まれたものが沢山あるんじゃないかな。
謙遜する人が多いけど、もっと広島に誇りを持っていいと思います。

中島浩司さんの一日の過ごし方

8:00 起床
出勤前は家事やランニングなど家で自由時間
11:00 出勤
通勤は、自転車・車・アストラムラインなど色々です。
19:00 仕事終了
子どものお迎え
21:00 帰宅
子どもを寝かしてから妻とドラマを見たりします。
基本的に打合せがあったりする日以外は、出勤時間も拘束されないので、普通の社会人と比べたら、朝釣りに行ってからとか自由にできます。

奥大地さんの一日の過ごし方

7:00 起床
余裕があるときは週3くらいの頻度でジョギングしたり、冬にはスキーをしてから出勤することもあります。
11:00 出勤
19:00 仕事終了
気持ちに余裕があるときは、子どもにご飯作ったりしますが、会食が多いですね。
0:00 帰宅
飲みが続く日は、朝家族の夜ご飯を作ってから出勤します。夜に用事があるときなどは一旦帰宅し、食事を作ってから会食に行くこともあります。往復しますが、会社までバイクで20‐30分くらいです。住宅街から移動距離が近いのも、広島の良いところですね。
中島 浩司さん/奥 大地さん

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