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INTERVIEW

ちょっぴり不安な気持ちを抱えながら「ひろしま暮らしサポートセンター」を訪問。広島で女優としての自分を受け入れてくれる職場との出会い。 新しい仕事、広がる人との出会い、「計り知れん!」毎日が始まった。

前田 多美さん

東京都 → 広島県
2016年
1983年 大阪府生まれ マリーナホッププロパティ「広島マリーナホップ」広報担当 女優

そろそろ人生の転機かもしれない…勇気を出して移住相談窓口を訪問。選んだのは、映画のロケで訪れしっくりするものを感じていた広島県。「女優をあきらめなくてもいい方法を一緒に考えてみましょうよ」という相談員の言葉から様々な出会いがつながって、会社員として働きながら映画を監督することに。2016年からは、広島での映画活動の第一歩として、完全自主制作の映画づくりに取り組んでいる。

移住のきっかけを教えてください

子どもの頃から女優になることが夢でしたが家族の反対で一度は断念。故郷である大阪の大学・大学院に進み、ゴーギャンがタヒチに渡る前に滞在していたフランスのブルターニュ地方の地域性と作品の相関関係の可能性などを研究していました。
卒業してからは、そのまま大阪の企業に就職しましたが、東京に転勤になった後、女優の夢が再燃してしまいました(笑)。東京ってエキストラの募集も頻繁にあって芸能が身近なんですよ。
2011年に女優活動をスタートしてからは役付きだと8本くらいになるかな?映画に出演させていただきました。その中で「トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ」というオール広島ロケの映画で広島を訪れたんです。

ロケで滞在している間、現地の街や人に触れていく中で「この街が好きだな」ってすごく感じました。広島の方々って「ワシらは田舎者じゃけぇ」とか自分たちを謙遜しながらも、内心ではすごく地元のことが好きなのが伝わってきて、そういう謙虚ながらもアツい地元愛って素敵だなぁと。
好きの理由を言葉にするのは難しいのですが、第六感的なものなのか、聞こえてくる音、空気、街のスピードや人の歩くリズム感など、心地よいというか、自分の中で “しっくり”くるものがあったんですよね。知れば知るほど、どんどん広島に惹かれていきました。
映画や芸能活動は続いていたんですが、30代になって節目を感じたのかな、今後の人生を考えるようになっていました。それと、以前から東京は人口が過密すぎるなと感じていて、「ここは永住する場所じゃないのかも」という感覚はずっとあったんですよ。

そんないろんな要素が絡み合って、広島への移住を考えるようになっていたんだと思います。

広島への移住を決めてから、どんなアクションを起こしましたか?

「移住しよう!」と思ったものの、好きな街に住むってどうしたらいいのか、何から始めたらいいのか分からなくて(笑)。インターネットであれこれ検索している時に「HIROBIRO」のサイトを見つけたんです。
サイトの雰囲気が爽やかで親しみやすくて、すっと私の心に入ってきました。サイトの中で「ひろしま暮らしサポートセンター」の相談員・平野奈都子さんを知りました。相談しやすそうな柔らかい雰囲気の女性だなと感じて、一歩踏み出して話を聞いてみたいと勇気が湧いてきました。

そして、2015年7月、初めて相談窓口へ行き、この出会いが私の移住を大きく後押ししてくれるものとなりました。移住後も女優の仕事も続けたい気持ちも少しはあったのですが、地方での女優業の両立は難しいんじゃないかなと半ばあきらめの気持ちを伝えたら、平野さんが「女優を諦めない方法を一緒に探しましょう」と言ってくださいました。
それから、広島県が主催される移住セミナーや広島出身の人たちが集まる会などをいろいろ紹介していただきました。なぜか紹介してくださるセミナー全てが私の仕事が休みの日ばかりで(笑)、引き寄せられるかのように物事が進んでいったように思います。いろんなセミナーに参加し、広島で活躍する人、広島市以外の街などさまざまな情報を収集できましたし、人や活動とのつながりをつくることができました。

本格的に仕事を探し始めてからは、都内や広島のハローワークで相談したり、求人サイトから応募したりするなど、自分でも積極的に就職活動をしていました。ただ、UターンではなくIターンなので、地元企業の方から「本当にこの子は広島に来るの?」と思われるところもあって、自分では就職先をなかなか見つけることができませんでした。
そんな時に、広島県庁から広島経済同友会に相談してくださって、今の就職先である「広島マリーナホップ」を経営する「みどりホールディングス」の社長に面接していただく運びとなりました。
そして2016年3月から広島マリーナホップにて、SNSでの発信やマスコミ対応など、これまでのキャリアを生かせる広報担当として働けることになりました。
社長は、会社での仕事と女優活動を両立させたい意向に理解を示してくださっています。職場のみなさんからも応援していただき、休みの調整なども協力してくださったり、すごくいい環境で働くことができています。その上、広島県庁の方も日頃から気にかけてくださっていますので心強いです。

移住してからの活動について教えてください

広島マリーナホップでは、これまで女優活動の一貫でSNSで発信をしていた経験から、フェイスブックやホームページの更新、マスコミへのプレスリリース、テナントさんのPR動画の作成・配信を任されています。

会社から軽い感じで動画配信を任されたのですが、実は、動画制作はやったことがなかったんですよね。あくまでも女優として,演じる側でしたから。テナントさんへのアポ入れ、企画、取材、撮影、編集と手探り状態で、これまでの映画撮影時に監督やカメラマンがどんなことをやっていたかを思い出しながら、素人なりに独学で進めていきました。正直、編集も初挑戦です(笑)。

それでも試行錯誤しながらひとつひとつ動画を作っていきました。始めた当初は週1回のペースで動画アップをしていましたが、企画から脚本づくり、出演者の日程調整、撮影・・・と本当に大変で、夢にまで出てきていました(笑)。今は月2回ぐらいのペースで配信しています。

今から思えばこのフェイスブック動画がきっかけになったのかな、2016年5月から『カノンの町のマーチ』という自主映画の製作を手掛けることになりました。マリーナホップも舞台になってます(笑)。主演させてもらう映画を作る話が先にあったんですけど、結果的に監督・脚本に初めて挑戦しました。今回、映画に関わる人の中に俳優として活動している人はいなくて、ミュージシャンがほとんどです(笑)地元で自分たちの音楽をやっている人たちや吹奏楽団のみなさん、その全員が広島を拠点に頑張っている人達ばかり。このメンバーでやるなら、それぞれの個性や特技がキラリと光るような作品を作り上げていきたいと思うようになりましたね。

撮影が終わった時、ほっとして感慨にふけると同時に、「本来ならできないことができてしまったよな」という気持ちがしみじみ湧いてきました。監督初挑戦で至らないところは多々あったけど、思い描いた目標通り、広島で出会った人たちの才能を随所にちりばめたとても素敵な作品になったんじゃあないかと思っています。

それと、振り返って思うのですが…。移住前の2015年11月に、広島県が大崎下島の御手洗で開催された移住イベントの中で、持ち込み企画の映画ワークショップをさせていただいたのですが、県内外からキャストとスタッフを募集し、東京から監督を呼んで、『プレイタイム』という30分の映画をつくれたことが、「広島に移住しても映画がつくれる」という自信を与えてくれたように思います。
『カノンの町のマーチ』が完成したら、広島から世界を目指すために、国内外の映画コンクールに応募する予定です。このコンクール応募を通じて、映画製作で協力いただいた方々へ、感謝の気持ちをカタチにしていくのが次のステップだと考えています。

広島で暮らし始めて1年、今思うことは?

やっぱり「広島が好きだな」って思います。広島の街はコンパクトだから、自転車さえあればくるくると買い物がもできちゃうし、意外と東京にいた頃と休日の利便性はそんなに変わらない。

大好きな映画館も東京だと電車に乗って観に出掛けていましたが、広島は自転車で行けちゃいます。移住前に感じていた“しっくり”感は今も変わらず残っていますし、将来は広島の人と結婚して家庭を築くのも夢。そんな未来が来ればうれしいし、それくらい広島が好きだし、ここで暮らしていきたいんです(笑)。

また、移住をしてまだ1年なのに「仲間ができたな」という気持ちを強く感じます。職場はもちろん、映画製作での出会いも大きいです。このご縁を大切にして、これからも映画製作はずっと続けていきたいと思っています。

広島には、緑が豊かな場所、古い町並み、海など、映画のロケ地として撮影してみたい場所がいっぱいあります。広島を舞台にした映画で人をつなぎ、広島の映像文化を盛り上げていきたい。そして、私たちがつくった映画を観た人が、勇気や自信を持てたり、仲間をつくれたりするきっかけを与えられたらいいなと思います。

移住者へメッセージをお願いします!

もし、何かに迷っているなら、自分なりの選択肢を描き、それを一つずつやってみるといいと思います。実際にやってみることで、答えが見えてくるのかなと。
私も脱東京を後悔しないために、試して考えるを繰り返しました。やってみて「これは違う」と思ったらその選択肢は消していって。
迷いがなくなれば、あとは決めた先に向かうだけ。それから、少しずつアクションを起こしてみてください。例えば、口に出してみるだけでもいいと思う。その言葉を拾ってくれる人がいて、道ができていく気がしています。

あと、東京周辺に住んでいるのならば「広島暮らしサポートセンター」を活用するのもいいですよ。移住したあと東京と広島で連携してしっかりサポートしていただいています。こうしたバックアップがあるから、広島でも安心して暮らせていますし、女優としての活動もできているのだと思います。まずは思い切って飛び込んでみたらいいのかも!

平日

6:00 起床 お弁当を作る
朝食は甘いものと決めている。休日に作る甘いスイーツを食べる
8:00 会社へ出勤 
9:30 始業
12:00 昼食
交代で事務所の電話番なども行う
13:00 仕事再開
広報業務以外にも経理やインフォメーションなどの作業をすることも
18:30 終業
19:30 帰宅
20:00 夕食
20:30 趣味の時間
1日1時間設けている。映画や自分磨きに当てている
24:00 就寝

休日

7:00 起床
7:30 毎朝食べる朝食のスイーツ作り
合間で部屋の隅々まで掃除をしたりする
13:00 お気に入りの映画館へ
17:00 帰宅 
夕食の支度を始める
19:00 夕食
24:00 就寝
前田 多美さん

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