ログイン
HOME
INTERVIEW

大好きなものが仕事に結びつき活躍の幅が拡がっていく。 自分が選び自分の足で歩むと世界は変わっていった。

前田 典子さん

京都府 → 広島県
2003年
1969年生まれ インテリアコーディネーター 家族1人+1匹(夫・犬)

父親のフランス旅行のお土産がきっかけでフランス好きに。フランス留学後、“自分はお家のことが好き”なことに気づき、住宅設備メーカーを経て、夫が経営する住宅リフォーム会社のインテリアコーディネーターに。ヨーロッパのような「古いものに手を加えて自分らしく生活することがいい」という考え方へのシフトを願っている。。

広島での生活に至るまでの経緯を教えてください。

生まれは京都ですが、父の仕事の関係で、いくつかの関西の都市で暮らし、小学校6年生の時に広島に来ました。
大学は生まれ育った関西に戻り、卒業後はフランスに行こうと思っていましたが、実際には両親のいる広島に戻りました。でもいつも頭の片隅にフランスがありました。
ようやく1年間、フランスへ留学の夢を叶えたのですが、帰国するときには、もう切なくて切なくて(笑)。「フランスに戻れるなら帰りたい…」そんな想いを抱きながら、両親のいる広島に戻って就職しました。
住宅設備メーカーのショールームで10年アドバイザーをしていました。その時、仕事の関係で夫と出会い結婚しました。
夫は、岡山県の津山市出身ですが、広島に根を下ろしリフォーム会社を経営しています。私は、取得した宅建とインテリアコーディネーターの資格を活かして、住宅の新築やリフォーム工事の内装に携わらせてもらっています。

フランスが好きになったのはいつからですか?

神戸に暮していた当時、職場の旅行で父がフランスに行ってお土産を買ってきてくれたのですが、それがかわいくてフランス好きになりました(笑)。
中学生の時にたまたまテレビで観たフランスの風景に、なんだか胸がザワザワ騒いで不思議な感覚がありました。私の心の故郷はフランスなのかなあ…といった感じでしょうか。それからフランス語を勉強したくなって、いつかフランスに住みたいと思うようになりました。
やっと実現したフランス留学では、パリとリヨンで半年ずつ暮らしました。
私の色彩感覚にはフランスの影響があると思います。フランスでは普通の人・普通の店でも色使いのセンスがいいんです。絶対にあわせられないだろうなという色を、素敵に組み合わせている。
インテリアコーディネーターの仕事でも、無難になるとつまらない空間になることが多いんですよ。壁紙なんかは、色を選ぶときは自分が思っているより大胆にしていい。ちょっと派手かな?と感じるくらいの方がちょうどいいことはよくあります。古民家であれば、ウイリアム・モリスのような大胆な柄でシックな色合いが似合いますよ。

インテリアコーディネーターのお仕事のことを教えてください。

中学生の時に実家を新築したのですが、自分の部屋のコーディネートを全て任せてもらったのが楽しくて・・・、今でも当時のコーディネートはナイスな出来栄えだと思っています(笑)。
でも、いつしかそのことは忘れていたのですが、フランス留学から帰って、20代半ばに「インテリアの仕事がしたい」とひらめきました。喜びを感じられることが仕事になれば、楽しいだろうと思いました。
今は、自分の好きなことを仕事にできて、お客様から喜んでもらえることは本当に嬉しいです。ショールームでの経験も役立っています。
今の仕事の環境としては、広島はいいと思います。広島は、地方都市の中でもとくに「中古×リノベ」に反応してくださる地域です。
広島市内は土地が狭いので、若い世代は新築に手が届きにくい状況があります。でも都市機能が密集しているので近隣のスーパーの数など、暮らしの利便性が高いところもあります。古くて安い物件が立地のいいところにあり、そこに手を加えて自分らしく住めればその方がいい、という若い人も多いです。自分の家を自分でつくることを楽しむ人が増えてきています。

広島での生活はいかがですか?

広島は景観的にもいい街だと思います。特に川沿いが好きです。
でも、私は、どうしてもフランスと比較しがちなのですが、ヨーロッパの街並みは本当に美しいです。広島は、日本の大都市の中では確かに自然が近くて、車で数十分の距離で海にも山にも行けます。でも、街中にもっと森林があってもいいのではないかと思うのです。街に住んでいるのに普通に森林浴できるような森。人が快適に住んでいくためには、緑との割合が重要です。
ピクニックしたり、犬の散歩を」したり、街歩きしているついでに行けるような、特別なところに行かなくても寛げる森林公園がもっと点在していてほしいなと思います。
それから、広島は暮らしやすい街だと思います。街が緻密で近くに気の利いたお店が多い気がします。焼きたてのパン屋とか、野菜や魚が新鮮なスーパーとか。
大阪から遊びにきた友人が、物の品質が良くて安いねと言っていたのが印象的でした。広島は、スーパーが多いので、競合して全体のクオリティが上がっているのではないでしょうか。飲食店もレベルが高いと思います。
私はフランス映画の影響で映画好きなのですが、広島にはすばらしい映画館があります。東京でも少なくなっているミニシアター、上映作品にこだわった良い映画館があります。月に2、3本映画を観ていますが、アート感覚で日常生活に映画があることの価値が、もっと広島の人たちに伝わればと思っています。

広島の“人”の印象はどうですか?

結婚してからは、夫を通して多くの経営者と会うことも増えて、広島の景気を感じたり、別の角度から広島を見られるようになりました。
広島人は、子どもも含めて地元愛が強いですね。小6で転校してきた時にはとっつきにくいと感じたのですが(笑)。今は広島の人たちのさっぱりしていて前向きなところが好きです。
宮島や平和公園を訪れるフランス人観光客に向けて、通訳をさせていただくことがあり、語り部さんのエピソードから広島人の強さを感じました。
おそらく原爆の時にも、相手を恨む感情より、生きていた喜びと、とにかく生活を取り戻すために必死で前向きに踏ん張ってこられたのだと思います。他の国や地域ではなかなかない精神性です。広島人の強さは、誇りだと思います。
平和への取り組みは、もっとグローバルにアピールする活動ができるのではないかと思います。平和公園や宮島の厳島神社は、世界的にすばらしいスポットです。

移住検討者へメッセージをお願いします。

広島の人は外から来た人にも温かいので、勇気をもって飛び込んできてほしいと思います。
中山間地域を中心に、空き家バンクに登録された中古物件もたくさんありますので、挑戦のステージを探しに来てもらえたらと思います。
夫が参加している経営の勉強会をみても、女性が多い気がします。広島は、女性が起業しやすいところ、頑張る女性が多いところではないでしょうか。

前田さんの一日の時間の使い方

5:00 起床
愛犬と、京橋川沿いを散歩することもあります。
7:00 家事、朝食
8:00 店舗へ出勤
手掛けている施主さんとの打ち合わせがぎっしり入っています。
12:00 監修する雑誌の打ち合わせ
会社で発行する雑誌の打ち合わせをします。雑誌、テレビなどの取材を受けることも多くあります。
15:00 マリーナホップ店へ移動
新しく手掛けたインテリアショップで、イベントの準備を行います。
18:00 帰宅、夕食
19:00 映画館へ
夜も打ち合わせの日が多いですが、自分の時間も意識して取るようにしています。お気に入りの映画館は徒歩圏内。フランス映画は必ずチェックしています。
21:00 帰宅、家事
24:00 就寝
前田 典子さん

関連インタビュー

INTERVIEW

アビ 会員特典を利用する! 無料 会員登録
サポート窓口/お問い合わせ