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INTERVIEW

人生をデザインしやすい広島へ。 こだわる部分の良し悪しは,自分の心に正直であること。

薬師神 裕樹さん

東京都 → 広島県
2011年
1977年生まれ BIZSTAR株式会社 代表取締役 家族 妻・娘

東京から広島に移住し、ウェブデザインの会社を立ち上げ、広島の若いクリエーターの中心人物のひとりに。バンドミュージシャン時代の友人関係がIT分野での起業につながり、ITを活用した仕事が農業につながって、広島で新しい展開が始まっている。

広島に移住して来られるまでの経緯を教えてください。

愛媛県で生まれ育ち、小さい頃からずっとギター片手にバンドをやっていました。
就職も「バンド活動ができるかどうか」が最優先事項で(笑)、愛媛の学校を卒業した後、仲間がいたこともあって広島へ引っ越し、バイトをしながら、バンド中心の生活を送っていました。
その後、見よう見真似で作ったバンドのホームページが意外にも楽しくて、IT系に仕事を変えました。7年ぐらい広島にいて、その後東京に出ましたが、東京でもIT業界で仕事に就きました。
やがて30代前半になり、バンドに対してある意味やりきった感があったのと、仕事がノッてきたのもあって、きっぱりバンド活動を辞め、ちょうど様々なネットベンチャーが立ち上がる走りの頃でしたので、今はかなり有名になられてる方々と一緒に関連サービスを立ち上げて揉まれていきました。

東京では、一時期、農家を支援するベンチャー企業に勤務していましたが、自分でも千葉県流山市に、農業好きな仲間と一緒に田んぼを一反借りて米作りをしていましたが、東日本大震災の後、安全・安心な農作物を作ることができなくなりました。
また、仕事面でも、都会の大企業と仕事をやるよりは、地方の小さい企業をサポートして、地方から日本を元気にしていきたいという思いを持ち始めました。
それで、以前仕事をしていた広島、農家である妻の実家で米づくりもできる広島に戻ることにしました。ただ、妻はまだ東京で遊びたかったようですが、なかば強引に連れて帰ってきました(笑)。

広島での仕事もIT系ですか?

帰広してすぐにあるデザイン会社に入りましたが、どうも肌にあわなくて自分でやることにしました。
ウェブ関連の仕事を個人事業主としてやりはじめ、現在は3つ目の会社となるBIZSTAR株式会社を経営しています。
広島での仕事は、バンド時代にバイト先で知り合った友人とのつながりから始まった感じです。初めは、バンド時代の僕しか知らないので、「どうしたん?」という感じでしたが(笑)。
その友人は、今では広島の若いウェブクリエイターを束ねるような役割を担っているので、彼が主催する交流イベントに参加したり、彼が仲間を紹介してくれたりして、横のつながりが広がっていき、自然に事業も拡がっています。

東京にいた時と仕事での違いはありますか?

まず、東京だったらこんなに好きなことは出来ていなかっただろうなと思います。
農業もそうですが、結果的に会社を持てています。自分の会社であるということは,自分の思いで、やりたくない仕事は断ればいいので、やりたいことが自由にできます(笑)。
地域の地場のビジネスに貢献することが使命だと思っていますが、クライアントと同じ景色を観て、同じ感覚でホームページが作れます。これは東京に居てはできないことだと思います。
また、こんな人と会いたい、つながりたいと思っても、東京ではなかなか実現しませんが、広島だとひとり人を介すと、どんな人とでもつながることができます。人とつながるサクサク感が心地いいというか、人材ネットワークをつくるには最適な都市規模だと思います。

あと、広島にいたら枠組みを作る側になれると思うんです。東京にいたら、大きな枠の中でスキルの高い人もいっぱいいて埋もれやすい。
広島は規模感がめちゃめちゃ良くて、何かやりたいと思ったらすぐに誰かと繋がれて、行政のITプロジェクトを担わせてもらったり、勉強会を主催してゲスト呼んだりしています。東京だとなかなか作れない機会も、広島だと作りやすい環境があります。
バンドをやってた時も思ってたんですけど、広島にツアーで来るバンドって、すごくいいバンドが多いんです。彼らと対バンさせてもらえる機会も多かったんですが、東京でそれをやろうとするとめちゃくちゃ大変なんですよ。広島には、そういう枠組みを作る側に回れるという強みはありますよ。

東京にいた時と生活での違いは、どういうところですか?

東京では足立区に住んでいましたが、仕事は主に霞が関でしたので、ベッドタウンの自宅と職場の往復が生活の大部分を占めて、ライフスタイル的な魅力はありませんでした。会社で辛い思いしながらお金を稼ぐため働かなければならない、そういう呪縛を感じていました。
妻の実家は島根県境に近い県の北部ですが、高速道路を使えば、自宅やオフィスのある広島市内から車で40分ほど行くことができます。

そこで、お米や野菜を作っています。私がつくったお米を炊いて、オフィスでお昼に食べてもらうこともあります。
畑に出る時には、朝、自宅を出て、10時くらいから妻の実家で農作業を始めて、夕方くらいまで丸1日やります。
また、広島は海も山も近いので、趣味のカメラを持って、宇品港や、芸北の聖湖や加計山に行くこともあります。どこに行っても気持ちがいいのですが、どこも30分から1時間で行くことができます。

今後の展望はどのようなものですか?

今の時代は、スピードが速くなっているので、3年後どうなっているかなんて誰も分からないのではないでしょうか。例えば、何年か前はFacebookやLineもなかった。
そういう時代なので、むしろキャリアというか、レールの上を歩くよりも、自分がレールを作らなければならない時代じゃないかと思います。まさに生き方をデザインする時代。会社も個人としても、3年後どうなっているかをデザインしていきたいです。
例えば、働く場所が一週間のうちの数日は郊外のサテライトオフィスだっていい。空き家はたくさんあります。農業したり海を見ながら仕事したり、街と海と山と、気分によって働く場所を変えられるような、そういうワークスタイルを実現できる会社にしたい。
私は、いいデザインは、いいライフスタイルから生まれると思っていて、クリエイティブなライフスタイルを過ごせるような環境を作りたいと思っています。

首都圏からの移住を検討している方へのメッセージをお願いします。

移住に関して言えば、「田舎=スローライフ」というのは勘違い。ゆっくり出来る暇はないどころかめちゃくちゃ忙しい(笑)。
うちの会社として欲しいのは、やっぱり技術ある人・即戦力ですね。そういう方に移住してきてほしい。デザイナーだったりコーダーさんだったり。あとはディレクションができる人。仕事はいくらでもあるので。
でも、即戦力じゃなくても、この業界の技術って、本気でやったら半年で追いつけるんですよ。そのくらい情報もいっぱい溢れているので学習コストも低い。あとはやる気次第です。
半年なりでも必死でやって、自分に必要な能力を自ら習得できる人であれば、現在スキルゼロであっても全然OK。これはITに限った話じゃなくて、何の業種でもそうだと思いますよ。

オフの日)

お昼ごろ 郊外の自宅へ
車で片道1時間もかかりません
  農作業など
17:00 そのまま帰るときもあれば、泊まります
遅くとも22時までには帰れるので、気楽です
薬師神 裕樹さん

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