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INTERVIEW

半分会社員、半分ライフワーカー。 福山に移住し、新しい働き方に挑戦! お金では決して買えない自分らしい暮らしができています。

野田 直子さん

兵庫県・東京都→福山市
2017年
1978年兵庫県生まれ チーム・カノバ 事務局長 EY新日本有限責任監査法人 金融事業部 業務受託 Bike&Lemonade プロジェクト(現在休止中)代表

東京で金融機関のシステム監査の仕事をしていた野田さん。同じ職場の夫と3歳の娘と3人で生活をしていたが、仕事、子育て、家事の両立で肉体的にも精神的にも限界を感じるようになり、2017年に夫の故郷・福山へIターンした。現在は週の半分を自由契約した会社員として働き、半分はライフワーカーとしてコミュニティに関連した活動を行なっている。

移住のきっかけを教えてください。

東京で金融機関のシステム監査の仕事で、子育てしながらフルタイムで働いていました。夫とは同じ職場だったんです。子どもが病気になったら、どちらが会社を休むかで頭を悩ませたり、定時に退社するのが難しかったり、家事と仕事、子育ての両立は思っていたよりも大変でした。体力的にも、精神的にもギリギリの私を見るに見かねて、夫が独断で移住を決断。私には前もって何の相談もなかったので、聞いたときはとてもショックを受けましたね。夫の地元が福山で長男ということもあり、いつかは実家に帰るだろうとは思っていたのですが、子どもが小学校に入るまでは今の仕事を頑張るつもりだったので、思いがけない決断に戸惑ったことを覚えています。

Iターンを決めてからは地元の情報を集めようと、すぐに移住に関する支援施設をHPで探して、有楽町にある「ひろしま暮らしサポートセンター」に足を運びました。

移住を決め、まず何からはじめましたか?

2017年の1月に移住が決まり、実際に引っ越ししたのが半年後の8月。見知らぬ土地への不安から、「何か情報を集めなければ」と必死でした。移住に対する思いが大きく変わったのは、ひろしま暮らしサポートセンターでライフスタイリストの平野さんに出会ってから。平野さんは、私の思いを共感しながらずっと聞いてくださいました。会社の仕事をこなすだけではなく、もっと豊かに生きたい、新しい価値観や仲間と出会って可能性が広がるような、人と人とがつながり合う場づくりをしていきたいなど、平野さんと話すことで今後自分がどうしていきたいかの道筋が明確になっていったのがうれしかったですね。
私の話を聞いて平野さんは、「この人に会うといいですよ」と、新しいワークスタイルを提唱する活動を行っている広島出身の石川貴志さんをはじめ、様々な方を紹介してくださったんです。その人たちと話をしていくうちに、福山で自分が思い描いてきた場づくりに挑戦したいと思うようになりました。移住したほうが自分自身の可能性が広がるような気もしましたね。中でも特に影響を受けたのが複業の考え方。東京で働いていた会社が比較的自由な社風だったというのもあり、会社員から自由契約に切り替えようと働き方に対する新たな方向性も見えてきました。

ほかにも、これから尾道や福山に移住する方が集まって、経験談を聞くことができる広島県主催の「移住女子会」に参加しました。尾道の街中を探索しながら移住者の生の声が聞けたのはとても参考になりましたし、自分にとって移住がぐっと身近になったきっかけでもありました。また、東京でもIターンやUターンを考えている人達との食事会などには積極的に参加。これから暮らす土地に、知り合いができるというのは本当に心強かったです。小さなことでも気軽に相談できる仲間ができ、安心して準備を進められましたね。

実際に広島で働き、暮らしてみてどうですか?

福山では夫の父と母と同居しています。子どもの面倒を見てくれたり、平日の夕食も作ってくれたりと、両親に助けられてばかり。2人のサポートのおかげで、時間の融通の幅も広がり、以前よりも生活が楽しめるようになりました。また、東京は家賃がすごく高かったんです。さらに、光熱費や子どもの保育園代を払い続けていかなくてはいけないという恐怖感から、仕事を辞めるという選択肢は考えられませんでした。移住後は夫の実家で暮らしているので、万が一収入がゼロでも、何とか生きてはいけるという安心感がベースにあります。仮に同居ではなくても、福山は東京に比べて物価が違うので、生活面のコストが抑えられます。少しでも自由に使えるお金があれば、何かチャレンジしたいと思ったときに選択肢を広げることもできますよね。

生活面以外にも、福山は自然がいっぱいで、車を少し走らせるとすぐに瀬戸内海の景色が見られるのが魅力です。休日は時間があれば家族でお出かけして、様々なコミュニティに行ったり、イベントに参加したりと子どもと触れ合う時間を大切にしています。子どもも広島に来てから、体が丈夫になり、断然表情も明るくなりました。東京にいる頃は、私自身仕事が大好きということもあり、子どもに対してきちんと向き合っていなかったのも原因かなと少し反省。今は心に余裕が生まれ、相乗効果を生んでいるように思います。

移住後、何をされましたか?

週の半分を自由契約した会社員として、これまでのシステム監査の仕事を継続。残りの半分はコミュニティに関連した地域貢献をライフワークにして活動を始めました。移住後まもなく、地域の人たちが集えるコミュニティを作るために最初にしたのが「まちピクニック」や「まちキッチン」の企画。小さな企画から取り組み始めていたところ、福山でリノベーションスクールを知り、コミュニティづくりの可能性を感じて、迷わず参加しました。このスクールは、福山の空き物件をどう活かすか、ビジネスプランとして考えましょうという趣旨のものです。そして、ここで出会った仲間と一緒に立ち上げたのが「Bike&Lemonade」プロジェクト。レモネードのレシピを作ったり、屋台を出したり、自転車ツアーをしたり半年間チームで活動しました。

福山は新しいことに挑戦しやすい環境が整っています。心が温かい人も多くて、私がやりたいと言ったことを、面白そうだからやればいいんじゃないと周囲も温かく応援してくれました。カフェやワークショップなど新しいところに子連れでどんどんでかけて、いろんな人と出会うのも私の楽しみのひとつになりました。

現在は何をされていますか? そして、これから広島でどんなことをやっていきたいですか?

Bike&Lemonade プロジェクトとは別に、2019年1月に新しい場づくりの団体 “チーム・カノバ” を仲間と共に立ち上げました。人と人とが温かにつながり合う、対話や学びの場を企画・運営しています。具体的には、設定した問いを中心に語り合い、他者との違いや新たな気づきを楽しむ対話イベント「トイノバ」を実施したり、ファシリテーション(場づくりスキル)講座を開講したり。チーム名の“カノバ”には可能性の場、果実が実る場、力(ちから)の場という意味を込めており、人々の可能性が開く鍵となる場を創り続けていきたいと考えています。

福山エリアは企業等の勉強会はあっても、誰でも参加可能でオープンに学び合える場が東京に比べて少ないなとは感じます。自分が思っているような勉強会がなくて探している人や街に馴染みきれない人は、きっと少なくないはず。そういう人のためにも、大事な学び、繋がりを育めるような「場づくり」をしていきたいと思って取り組んでいます。

移住希望者へメッセージを!

まずは、移住先に相談できる人を作っておくのがベスト。「ひろしま暮らしサポートセンター」では移住女子会や体験ツアーなど多彩なイベントを開催されているので、積極的に参加することをおすすめします。できるだけ多くの人と会うと、移住後に自分の可能性が広がると思いますよ。働き方に関しても、地方は東京に比べて家賃なども安く、生活面のコストを抑えることができます。だからこそ、好きなことができる。私自身、会社の契約も1年更新なので不安定ですが、自分が本当にしたいことをできているので、心にゆとりができました。これからも福山で様々な活動をしながら、みんなが安心して交流できる場を作っていきたいですね。

平日・監査の仕事の日

6:30 起床
8:00 保育園に子ども達を送って出勤
9:30 始業
17:00 退社
18:30 夕食
19:00 お風呂
20:00 子どもと触れ合いの時間
21:00 就寝

平日・イベント運営の日

6:30 起床
8:00 保育園に子ども達を送る
9:30 仲間とミィーティング
13:00 パソコン作業(イベントの準備やホームページ作成)
17:00 イベント会場入り
19:00 ファシリテーションのイベント
21:00 イベント終了
22:00 帰宅
22:30 夕食、お風呂
23:30 就寝

休日

6:30 起床、朝食作り
7:30 家族揃ってご飯を食べる
8:00 掃除
10:00 お出かけ
14:00 夕食の買い物
15:00 夕食準備
17:00 夕食
19:00 お風呂
20:00 子どもと触れ合いの時間
21:00 就寝
野田 直子さん

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