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INTERVIEW

初めて見た佐木島のレモン畑と瀬戸内海に感激。 温かな人たちと豊かな食材に恵まれて三原市内でフレンチレストランをオープン。

山﨑 真児さん

千葉・フランス→広島・三原市
2017年
1976年生まれ フレンチレストランauraオーナーシェフ

東京やフランスで20年間料理人として活躍し、人生を共にする女性と一緒に三原への移住を決意。同時に念願のフレンチレストランのオーナーシェフになった。広島の食材をふんだんに使った本格フレンチを提供。2018年秋には長女も誕生した。

移住前はどんな暮らしを送っていたのですか?

子どもの頃、両親が共働きで、母が不在の時は姉達とよく自分たちの食事を作っていました。当時、缶詰やレトルト、インスタントラーメンをアレンジしてご飯を作っていたんです。だから、物心ついた頃から料理は好きでした。東京の大学を2年で中退し、調理師免許を取るための専門学校へ。同時に、いつか海外で働きたいという漠然とした夢も持ち始めました。ある時、恵比寿にあるフレンチレストランで食べたメニューがとてもおいしくて、フランス料理をもっと知りたい、勉強したいという好奇心が湧き、その店で働かせてもらうことができました。

勤め始めてから3年経ち、フランスの言葉や文化などをさらに勉強したいと思うように。25歳の時にその店を辞め、2ヶ月間、ヨーロッパへ食べ歩きの旅に出ました。日本に帰り、今度は和食の店へ就職。フランス料理に留まらずもっと幅広く料理の勉強する必要があると考えたからです。日本料理店ってオープンキッチンなんですよね。お客様と話しながら全てを見せながらサービスをするスタイルは、改めてすごいなと思えたんです。そして今度は働くつもりで渡仏。パリの日本人街の和食の店やビストロなどで働き、9年間を過ごしました。最後の1年はスペインに近いフランスのバスク地方のレストランに勤務。auraの店づくりは、ここでの経験が大きく影響しています。

フランスではなく、三原でお店を開こうと思ったのはなぜ?

フランスで9年間働いたことを区切りに、一度東京に戻りました。2015年5月、38歳でした。日本で自分の店を持つか、もう一度海外で働くかという二択で悩みました。ただ、店を出すなら東京よりも地方に目を向けてみようという想いも芽生えてきて。友人のいる宮城県、三重県、愛知県(豊橋)、そして広島県も候補の一つとして考えていました。

広島で注目したのが三原です。三原を下見した時、友人に三原の「佐木島」に連れて行ってもらいました。島の傾斜を利用したレモン畑ではキレイな黄色の実をたくさん付けていて、その背景には瀬戸内海の島々。初めて見る景色に感激しました。また、有機農業者が集まる収穫祭にも参加させてもらい、直感的にここでなら面白い仕事ができるかなと思い決めました。

三原への移住のために何をされましたか?

まず移住するための調査用として、東京・広島間の片道交通費を支援してくれる広島県の制度を知り活用しました。
1回目は店を出すにあたり、フレンチのニーズを探るために三原、呉、三次などへ。そこでギャラリーとして使っていたという天井の高い物件に出会いました。フレンチでありながら日本食の厨房のようにオープンキッチンにして、客席に一体感を持たせたいという私のイメージ通りの空間でした。
2回目はこの空間をどう改装するかという打ち合わせと、三原の他の飲食店と市内の人の動きを調べ、この地への移住を決意。店をオープンしたのは2018年1月のことです。彼女とも結婚して2018年秋には長女が誕生しました。三原の友人や大家さんもとてもいい人で、私たちを温かく迎えてくれたことは嬉しかったですね。

ご自身のお店がようやく持てたんですね。auraはどんなお店ですか?

フランスのビストロでは大テーブルなどを用いて相席も当たり前。私の店もそんなリラックスした空間にしたいと思いました。さらに、日本料理屋のようにカウンターとオープンキッチンを配置し、お客様とのコミュニケーションが取れる店作りを行いました。フランスの最後の1年を過ごしたバスクは大西洋のそばにあり、日本によく似た食文化の地域で、お店の雰囲気もバスクの店の影響を受けています。

広島は食材に恵まれていて、特に三原市は高坂町の桜の山農園の豚肉、三次市三良坂町のMIRASAKAフロマージュ、それに県北のジビエ、キクイモやハーブなど、バスクとよく似たフレンチの醍醐味が楽しめます。東京ではそれなりにお金を払えばいい野菜は手に入りますが、広島では旬になると驚くほど野菜が安く、その質の良さは素晴らしいですね。だから、惜しげもなくたっぷり野菜を使えますし、カルパッチョに柑橘類を取り入れるなど、広島ならではのフレンチを提案ができています。
お店をオープンさせてまだ1年ですが、これからも地元の方に喜んでいただける料理を提供したいと思います。

三原の印象、暮らしはいかがですか。

休日には家族と佐木島へ遊びに行ったり、須波や幸崎辺りの海でシーカヤックに乗ったりしています。バスクで働いていた頃に、SUPやカヤックをして遊んでいたので経験者なんです。こんな楽しみがあるのも海が身近にある三原ならでは。自宅から車で15分あれば、波に乗ることができますからね。それに広島に住んでいると、いつも友人やご近所さんからレモンや八朔、みかんをいただけるんですよ(笑)。こんな贅沢なこと、東京では考えられませんね。

広島に移住を考えている方にアドバイスを

移住するための調査用の交通費として片道の交通費を支援してくれる広島県の制度はとてもありがたかったです。結婚するつもりでいた彼女の分もパートナーと見なされ、2人分を支援していただけたのは助かりました。そのため限られた時間の中でエリアと目的を絞ることができ、しっかり調査ができたと思います。ほかにも、三原市は移住者に対してサポート環境も整っていて子育て世代の家賃支援、改装支援も利用しました。嬉しい制度が充実しているので、活用されるといいと思います。

勤務時

7:00 起床
9:00 店に出勤、仕込み開始
11:30 ランチタイムオープン
15:00 一度帰宅して休憩
17:00 再び店へ。ディナー用準備
18:00 ディナーオープン
22:30 閉店
24:00 帰宅して就寝

休日

7:00 起床
9:00 家族で佐木島へ
レモン狩りや食事を楽しむ

14:00 帰宅して、買い物など
19:00 夕食
22:00 就寝
山﨑 真児さん

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