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INTERVIEW

二拠点ライフで家族の時間を確保。 移住先の住まいはふたりのDIY!

金澤 伸次 / 金澤 萌さん

埼玉県→広島県廿日市市
2019年
金澤伸次さん(44歳)建設業
萌さん(36歳)左官業

萌さんは山口県下関市出身。埼玉県のものつくり大学で建築技能を習ううち、左官に興味を持ち、左官工事専門の工業所へ入所し仕事をしていた。伸次さんは当時大学院生で、建築関係の業務で起業。2005年に結婚し、2010年に長男が誕生。田舎で育児や生活がしたくて広島県廿日市市に移住した。

移住の経緯を教えてください。

萌さん) 
私は小学生から高校まで広島市、下関市で暮らしていました。埼玉での大学時代、社会人枠で学んでいた主人と出会い、卒業と同時に結婚。私は小さい頃から建築現場や大工仕事が好きだったので、それからものつくり大学に入りました。そこで大工ではなく左官の仕事に魅力を感じ、左官工の見習いとして働き始めました。

伸次さん)
私は当時、大学院に進むと同時に建築関係で起業をしました。主な仕事はゼネコンから依頼される現場監督で、今も埼玉にオフィスを残しています。

福島県出身で田舎が好きで、結婚したらいつかは田舎暮らしがしたいと彼女と話していたんです。長男も都会の大勢の学校に通うより、コミュニティが小さい学校の方が合うように感じましたし、田舎で暮らす素晴らしさを知って欲しかったんです。

私は魚釣りが好きなので、当初は瀬戸内の島暮らしに憧れていて、ここ数年は妻の帰省も兼ねて広島の島を巡りました。しまなみ海道、大崎上島、蒲刈島、江田島、宮島、それに似島。どこも良かったのですが、私は仕事の都合で月に2度、3日間ほど埼玉に帰らなくてはならなくて、アクセスとしては島より山の方がいいのかなと思い始めました。そこで廿日市市の空き家情報を探すうちに、今の物件を紹介していただきました。

萌さん)
民間の不動産サイト物件や空き家バンク物件を見ました。2018年夏に20日間くらいかけて集中して探しました。予算や建物の状況など条件に合う物件がなかなか無かったのですが、2018年10月に出会えたのがこの家です。母屋と別に車庫、作業所、畑もあって、家族の移住者歓迎の物件。壁や床は自分たちで直せばすぐに住める状態でほぼ即決でした。引っ越したのは2019年3月下旬。息子の始業式になんとか間に合いました。

5、6年前から有楽町の「ひろしま暮らしサポートセンター」に通い、広島の情報をもらっていました。一番気になっていたのは子どもの小学校のこと。場所やクラス編成などの情報を教えてもらえたのはありがたかったです。それから下見のための交通費の片道分を2回、それぞれ二人分を負担してもらえたのも助かりました。

伸次さん)
最初にこの家に引っ越した時、困ったのがネット回線の環境でした。事前に通信会社に工事の要請はしていたんですが、「この辺りはWI-FIが来ていないから、工事に2ヶ月かかる」と言われて(笑)。しばらくは携帯のテザリングでしのいでことなきを得ました。二拠点生活で、こうして遠隔で仕事をする際、もっと注意しておけばよかったです。

それと埼玉に帰る際、ここからだと広島空港より、岩国錦帯橋空港の方が近いんですよね。思っていたより東京までの移動時間がかからず安心しました。

萌さん)
私はここでも住宅や店舗などの壁を塗る左官業をしています。仕事を紹介してもらった親方がたまたまこの近所の方で、今も毎日のように仕事をさせてもらっています。埼玉には自分の工房「marumo工房」があり、左官を利用した雑貨やタイル小物作りなどをする拠点を残しています。ここ廿日市でも工房の活動ができればと思います。

左官業の魅力を教えてください。

萌さん)
同じ建設業のなかでも、大工さんは図面通りに作らなきゃいけないことが大前提。一方左官業は、最低限の知識や決まりごとはあるのですが、それさえ守っていれば塗り方というか表現方法は自由なんですよね。施主さんとお話しながらいろんな素材、方法で塗ることができる。そこに表現の幅広さ、面白さを感じます。

このご自宅もDIYされたんですね。

伸次さん)
キッチン、リビング、仕事部屋の無垢の床は私が貼り替えました。現場監督ですが大工経験はありませんから大変でした。でもキレイに仕上がりましたよ。

萌さん)
この部屋や廊下などレンガやタイルは私が塗やりました。壁はこれから塗っていきます。結局、業者にお願いしたのは洗面所とバスルームなど水回りの工事だけでしたね。和室の続き間は近い将来、左官のワークショップなどに使いたくて、今はあえて手付かずの状態にしています。

移住してよかったことは?

萌さん)
埼玉時代は忙しすぎて、3人揃ってご飯を食べることが少なかったんです。しかも外食やコンビニ弁当も多くて。でもここでは裏の畑で採れた野菜で料理をし、カマドで炊いたご飯を3人で食べることができています。「まさに田舎暮らしの醍醐味!」って夫婦で喜んでいます(笑)。

伸次さん)
この地域は人工的な音がないんです。夕食を終えるとカエルや虫の声、川や風の音しか聞こえてこない(笑)。子どもは現在小学3年生なんですが、田舎で子どもらしい遊びを楽しむ年齢としてはリミットかなと思い、今年移住したんですが、彼は自然の中で遊ぶより、私たちと一緒にいることの方を楽しんでいるようです。以前と比べ物にならないくらい会話や笑い声が増え、ようやく家族らしくなりました。

萌さん)
ここに引っ越してからはなるべく地域のコミュニティに参加しようと夫婦で話していたんです。

幸い引っ越してすぐ、近所の方から「花見をするからおいで」って呼んでいただけたんですが、ご近所の方々に一度に挨拶ができて顔を覚えてもらえ、本当にいい機会でした。しかもその場にいたのが、仕事をいただくことになった左官の親方でした。学校のPTAや近所の草刈りにも参加しています。今後は地元の人を招いて漆喰などを使ったワークショップができればいいなと思っています。

移住を考えている人にアドバイスを

萌さん)
廿日市市は空き家を活用すると補助金が出る制度があるんです。私たちはその費用で水回りの工事をすることができました。市区町村によってこうした制度はあるようなので、調べてみるといいと思います。

平日

5:00 起床
7:00 畑仕事
仕事を始める
12:00 昼食
仕事再開
17:00 畑仕事
18:00 夕食、入浴
21:00 就寝

休日

5:00 起床

6:00 家族で海へ魚釣りに
12:00 帰宅、昼食、昼寝
16:00 畑仕事
17:00 食料の買い出し
18:00 夕食、入浴
21:00 就寝
金澤 伸次 / 金澤 萌さん

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