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INTERVIEW

「尾道に住みたい」。その一心で 東京の企業に籍を置き完全リモートワーク。

陶山 嶺さん

東京都→広島県尾道市
2017年
会社員 株式会社RevComm

学生時代たまたま訪れた尾道。海、山、坂道、新旧の変化に富んだ尾道に惹かれ、何度か訪ねるうちに「住もう」と決意。尾道に暮らしながら東京の企業の社員としてITのエンジニアとしてリモートワーク。瀬戸内の暮らしを満喫している。

移住先を尾道に選んだきっかけを教えてください。

尾道を好きになったからです。大学時代、友人たちと福山市鞆の浦の仙酔島に遊びに行き、その帰りに初めて尾道を訪ねました。歩いて回れるくらい町がコンパクトで、海があって、おいしいものが多い…。尾道への最初の印象はそんな感じでした。

それ以降、尾道には何度も遊びに来ていました。猫の細道、散歩のできる海岸線、眺めのいい山。変化が多く、訪れるたびに新しい発見があり、同時にずっと変わらない懐かしさのようなものを感じられる尾道を好きになりました。

社会人になって上京してからも尾道旅行を重ね、2016年の終わり頃に「尾道に住む」ということを決めました。例え、今の会社を辞めることになっても、住みたいと思ったんです。

その頃、学生時代から趣味で使っていたプログラミング言語Python(パイソン)のイベントの運営に、ボランティアとして参加していました。その時のイベント仲間にはリモートワークをしている人もいて、イベント運営に関わる作業もリモートがメインだったので、自分もリモートで仕事ができるのではと感じ始めました。

当時、どんな仕事をしていたのですか?

プログラマーやシステムエンジニアと呼ばれる仕事で、ソフトウェアの開発を行っていました。当時はプロジェクトリーダーをしていて、週の4日間はお客様のオフィスに常駐し、自社にいるプロジェクトメンバーにリモートで指示を出していました。Slack(スラック)というツールを使用しながら、遠隔でも問題なく仕事を進めていました。

「尾道に住む」という気持ちが固まり、2017年4月、東京の別のIT企業に転職。求人サイトに「尾道に住んで働きたい」とエントリーしました。会社側もリモート前提で社員を受け入れたのは初めてのようでした。

転職してからは、移住に向けて、試験的に自宅からリモートワークをしてみたり、業務に支障がないように会社と調整をしたりして、2017年7月に尾道駅の目の前に見える向島に移住しました。

東京に未練はありませんでしたか?

全くありませんでしたね。もともと大分県郊外の出身なので、都会より田舎の方が好きです。
関わっていたイベントでは、Pythonが好きという人が世界中から集まっていました。その方たちと話す中で、もっと自分の好きという気持ちを大事にした方が人生は面白そうじゃないかと思いました。

実は私の父もITの技術者なのですが、東京から大分にUターンして独立した、リモートワークの先駆者のような人物なんです。「東京じゃなくても仕事はできる」という考え方はその影響もあったかも知れません。

リモートワークはどんなふうに?

尾道に引っ越して荷物が届くまでの最初の1週間は、ゲストハウス「あなごのねどこ」に泊まりながら、いま取材を受けているここ会員制シェアオフィス「ONOMICHI SHARE」などで仕事をしていました。いまは自宅と「ONOMICHI SHARE」を気分で使い分けながら仕事をしています。

業務としては、東京にいるプロジェクトメンバーと毎朝オンラインで朝礼。そして週1回チームでの定例会もオンラインでしています。日々の業務の報告、相談はチャットツールなどで細やかに連絡を取っています。

リモートワークで大切なのは、チームのメンバーからの連絡に対してきちんとリアクションをすること。「聞く」「伝える」というコミュニケーションを意識的に取ることを大切にしています。距離を埋めるのはこれしかありません。
ちなみに今度また転職をするのですが、東京にいる同僚からは「リモートなのに陶山さんが、社内で一番存在感があった気がします」と言ってもらえました(笑)。
※このインタビューは転職前(2020年10月中)に実施しました。

現在、尾道ではどんな生活をしていますか?

じつは、尾道に引っ越してすぐに250ccのバイクを買いました。向島の自宅と「ONOMICHI SHARE」を移動するとき、わざと遠回りをして、向島の海岸線を走っているんです。ドアツードアで約30分、朝の海沿いを走るのは気持ちいいですし、帰りは夕日がきれいで、時折陽が落ちるのをしばらく眺めてから帰宅します。夕食後にまた夜の海岸線をバイクで走ることもあるんですよ。

向島の自宅周辺はドラッグストアやスーパーが多く生活に便利な場所。そのおかげで自炊もしています。野菜炒めやカレー、鯛のアラの煮付けなどを作っています。煮付けの作り方は大分の母に電話で聞きました。
時々は外食も。尾道に引っ越した日に初めて行った鉄板焼きの店に今も通い、おいしい料理やオーナーとの会話を楽しんでいます。

東京にいたら自分の部屋以外でひとりになることって難しいのですが、向島の海岸にいると、360度見渡しても自分以外に誰もいないことも多いんです。その開放感や静けさを知ると、東京には戻ろうとは思わないですね。尾道で暮らすようになって自分の心が穏やかになったことを実感しています。

今後の展望はありますか?

心地よく過ごせているので、尾道に対して恩返しをしたい気持ちはありますね。尾道の活性化につながるようなことができればいいのですが、そうじゃなくても例えば尾道の魅力を誰かに伝えたり、好きなお店にはしっかり通って応援したりとか、ですね。尾道のためになるような、「何か」を模索して実行できるようになっていたいです。

平日

7:00 起床、朝食
8:00 仕事スタート
17:00 仕事終わり
バイクに乗って食料品の買い出し
18:30 夕食
SNS、参考書で勉強、電子書籍で読書
21:00 夜のツーリング
24:00 帰宅、就寝

休日

8:00 起床、朝食
9:00 ドライブ
(広島県北部、三次の常清滝など)
18:00 帰宅 夕食
夜のツーリング
24:00 帰宅、就寝
 
陶山 嶺

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