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INTERVIEW

優しさに支えられた海辺の暮らし 江田島から発信するITビジネスの可能性

安西 翔平さん

東京都→江田島市
2021年
合同会社Gene leaf(ジーンリーフ)経営

システム開発やITコンサルなどを行う合同会社ジーンリーフ。安西さんが仲間5人と東京で立ち上げたIT企業だ。2021年春、会社と社員まるごと江田島市の9LDKの古民家に移住し、共同生活をしながら完全リモート業務を行っている。大胆な移住を遂げたその背景と未来図は?

江田島に移住した経緯は?

東京での大学時代に、世界の難民問題に興味を持ったんです。やがて大学を中退して半年間ドイツへ。そこで難民の方にプログラミングを教えたり、物資の仕分けをしたりするボランティアを経験しました。帰国後、NPO法人の活動に参加し、日本にいる難民の方に住む場所、働く場所、交流する場所を提供する活動をスタート。なかでも難民の方が今後社会で活躍するスキルを身に付けられるようにとプログラミング研修をするため、僕もその頃プログラミングの勉強を重ねました。

やがて日本の若者にプログラミングを教えるベンチャー企業に入社。全国から若者を東京に呼んで研修をしていました。ところがコロナの影響を受け思ったような形で事業を進められず、独立を決意。立ち上げたのが現在の合同会社ジーンリーフです。

その頃、六本木の小さなマンションに住んでいたのですが、コロナ禍の間、小さな部屋で在宅勤務しているのが苦痛で……。「どこか海のそばで暮らしたいな」という思いが膨らみました。

江田島を選んだのは、「海のそばで暮らす」=「島」というイメージがあったことが大きいですね。私自身が数年前に広島に一人旅をして馴染みがあったこともあり瀬戸内海を念頭に置き、「広島」「海が見えるオフィス」というキーワードで検索。江田島の移住サポートをしているフウドの館長・後藤さんを知りました。

「後藤さんからお話を聞きたい!」「江田島を見てみたい!」と、その2日後に江田島に行ったんです。

島に着くと後藤さんを始め、市役所の方が温かく出迎えてくれ、その場で地元の人も紹介いただき、移住の制度、空き家のことなど細かく教えてくださったんです。そこで感じたのは、江田島のみなさんのやさしさと寛容さ。東京にはない人や土地の温かさに衝撃を受けました。そして地方の島で行うITビジネスのポテンシャルを感じ、移住を決めました。

なぜ企業ごとの移住を考えたのでしょうか

IT企業は完全リモートが可能であること。空き家問題や島の活性化にも役に立ち、都会じゃなくても働く場があるということを発信できると思ったんです。社員も長野など地方出身の独身ばかりなので東京にこだわりはなく、みんなも納得して仕事と住まいをこの場所に決めました。

広島県は、企業ごと移住すると補助金が出ることも大きな理由のひとつです。

この古民家オフィスでどんな暮らしをしていますか

9LDKで広い日本庭園付き。近くの海まで徒歩1分の場所。社員5人と仕事をしながら共同生活をしています。この家は市役所の方から大家さんを紹介してもらい、大家さんのご好意もあり東京のワンルーム並みの家賃で借りています。社員は各々好きな時間に起きて、仕事をし、好きなものを食べて、家事もできる人がやっている感じです。

近所の人から採れたての野菜や魚をいただくことも多く、まだこの家の整備が済んでいない頃には泊まらせてくださるなど、みなさんがとても優しくしてくださっています。

東京から江田島へ。暮らしや意識の変化は

東京にいた頃は昼に起きて、仕事やゲームをして深夜3時くらいに寝る生活でした。ところがここで生活を始めると、起床は朝6時に。家事と仕事をして24時くらいに寝る生活。時には海辺を散歩して、自炊をして、休日には魚釣りや温泉に行く…。近所の人に会えば挨拶や世間話をするし、ぼんやり夕日を眺めるときもある…メリハリのある生活になりました。全て東京ではできなかったことばかりで、心身が健康的になりましたね。

仕事・会社の生産性は上がりましたか

IT事業ですので、基本的に完全リモートが可能。今までの仕事は変わらずできていますし、業績には大きな変化はありません。強いて不便な点を言うなら上京をするのに5〜6時間かかることでしょうか。でも月に一度あるかないかの上京なので、問題はありません。現在、江田島のお役に立ちそうな仕事のお話もあり、これからのビジネス展開が楽しみですね。

これからのビジョンは?

1月の下旬に江田島の秋月地区に正式なオフィスを構えます。そこは築90年の古民家で、今の家よりもっと古い(笑)。だけど少しずつ補修して住めるようにしていきます。それは空き家問題やサスティナブルにも繋がりますしね。

そして今は、エンジニア学校を江田島に作りたいと考えています。もし実現できればエンジニアの卵が集まるし、若者が江田島に集まることで活性化、さらには雇用問題、過疎化問題にもいい影響があるのではと思っています。

社名のジーンリーフとは、「理不尽」をひっくり返したいという思いから名付けました。例えば、都会と地方の地域格差、親の収入によって子どもの学歴が左右される経済格差、学歴格差。そして大学時代に関心を持った難民問題も含め、僕はずっと身を持って『理不尽』を感じてきました。だから世の中の「理不尽」をITの力で解決していきたい、という思いを込めた社名なんです。ITにはその力があると思うし、江田島という素晴らしい場所でそれを叶えたいと思っています。

そして個人的には、今東京に住んでいる彼女を江田島に呼んで一緒に暮らしていきたいですね。

仕事の日

6:00 起床、瞑想、日記、スケジュールの整理
7:00 ストレッチ、筋トレなど
8:00 家事(洗濯、ゴミ出し、掃除など)
9:00 朝食、学習、読書など
10:00 出勤、デスクワーク
14:00 昼食
15:00 打ち合わせ、デスクワーク
19:00 退勤、夕食の買い出し
20:00 夕食
21:00 会社の仲間とボードゲーム
22:30 友人や彼女と電話
24:00 就寝

休みの日

6:00 起床、瞑想、日記
7:00 釣り
9:00 家事
10:00 学習、ネットサーフィン・ゲーム
12:00 外食
13:00 読書、ネットサーフィン・ゲーム
16:00 くらはし桂浜温泉館へ
18:00 スーパーに寄って帰宅
20:00 夕食
21:00 会社の仲間とボードゲーム
22:30 友人や彼女と電話
24:00 就寝
安西翔平さん

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