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INTERVIEW

田んぼと畑を手にして夢だった自然農を実現。 田舎の素晴らしさを子どもたちと一緒に体感しています。

松岡 哲平 / 松岡 美和さん

東京都→三次市
2021年4月
哲平さん テレビ局番組制作ディレクター
美和さん 農家(自然農)

哲平さんはリモートワークでテレビ番組制作を。妻の美和さんは高校時代から憧れていた自然農に取り組める環境に。祖父母の住まいをリノベーションし、子どもたち2人と一緒に田舎暮らしを堪能しています。

移住のきっかけを教えて下さい

哲平さん)
私はテレビ局で番組制作のディレクターをしています。これまで転勤が多くて福岡、東京、沖縄、そしてまた東京と、結婚して4~5年毎に転勤が続いていました。その都度、家族も引っ越しです。これからも転勤を繰り返すことや、自然の少ない都会の環境が嫌になっていました。40歳を前にして、どこかに定住して田舎暮らしがしたいと思うようになったんです。

妻は尾道市出身なのですが、三次市に住む妻の祖母が高齢で一人暮らしをしており、義父や叔母が介護に通うのが大変になってきたという話も聞いていました。また、その祖母の家が将来空き家になることも心配でした。そこで、2021年のお正月の帰省の際には、ここに住むという目線で小学校の場所や地域の様子などをリサーチしました。

東京に帰り、広島ではどんな仕事があるのか、有楽町の「ふるさと回帰支援センター」にあるひろしま暮らしサポートセンターに相談に行きました。
同時に三次への移住の希望を会社に伝えたら「広島支社でリモート勤務ができるんじゃないか」と提案され、仕事を辞めることなく三次市に移住することができました。
今は撮影や打ち合わせがあるときには、バスで2時間かけて広島市内に出社。それ以外は自宅で仕事をしています。

美和さん)
私は、高校生のときに読んだある漫画がきっかけで、ずっと自然農に興味がありました。夫の最初の勤務地の福岡で1年間有機農業の研修を受け、その後も夫が転勤するたびに近くで畑を借りて農業をしていました。だけど転勤先は都会が多くて田畑が少なく、3年位では腰を据えて自然農に取り組むことができませんでした。
三次には田んぼや畑があり、自由に使わせてもらえることになったんです。

この住まいはリノベーションをされたんですね

哲平さん)
もともとは昔からよくある和室中心の家でした。
その壁や建具を取り外し、大きなひと部屋にリノベーションしました。地元の工務店さんにお願いしたんですが、壁の漆喰や塗料を塗る作業は、左官さんに教えてもらいながら自分たちも作業したんです。念願の薪ストーブも入れることができました。

実家をリノベーションしてUターンをすると三次市から助成金がもらえるのでそれを活用させてもらいました。
食事、仕事、子どもが遊んだり、この部屋にはいつも家族が揃っていますね。

移住して1年。いかがですか

美和さん)
田んぼと畑を譲り受け、ようやくスタートラインに立てました。
引っ越したばかりの頃、次女と歩いて通園中、近所の人に「お米を作りたい」と話したら、近くで自然農の米作りをしている人を紹介してくださって。するとその方がすぐに種籾を分けてくださったんです。その種籾を発芽させ、手で苗を植え、手で草を取り、鎌で刈り取り、天日干しをして、足踏みで脱穀しました。最終的にできた米は555kg。家族では食べきれないほどの量です。

秋に鎌で稲を刈っていたら近所の農業の先輩が「そんなことじゃ、いつまでたっても終わらんで」ってバインダーという刈取機を貸してくださって。一人で作業をしていたら、近所の方が一緒に耕してくれたり、アドバイスをくださったりして助けてくださるのが嬉しくて。

哲平さん)
東京はお金を払ってモノやサービスを買ったりして、自分の周りのことを「人にしてもらう文化」でしたが、ここのご近所の農家の方は例えばちょっとした物置を自分で作ったり、住まいを直したりという生活力がすごいんです。ご本人は「大工さんのマネゴトよ」って笑っておられるんですが、僕からしたら、食べるもの、暮らすこと、自分の周りのことを自分でできていることがすごくかっこいいと思う。僕も彼らのように生きていく上での技能を身につけたいんですよね。そんな思いもあって罠と銃の狩猟免許も取得したんです。2022年4月からは有害鳥獣駆除班のメンバーにも加えてもらいました。先日も知り合いからイノシシを一匹いただいて、自分で解体したばかり。イノシシの骨から作るスープがとても美味しいんですよ。
妻の作った米と野菜、猟師の先輩たちとさばいたイノシシやシカが食卓に並ぶことが多くなりました。

お子さんたちの様子はいかがですか?

美和さん)
小学校4年生と4歳(2022年3月現在)の娘が2人います。
長女は東京の友達と別れる寂しさと、広島の祖父母の近くで暮らせる楽しみが半々のようでした。4年生のクラスは8人ですが、楽しそうに通っています。それまでは学年に女の子が一人しかいなかったのでとても歓迎してくれました。

次女は保育園まで私と一緒に歩いて通園しています。行き帰りに話をしながらツクシを摘んだり、栗を拾ったり。近所の方が「おかえり」と声をかけてくれ農作物をいただくこともあります。大人の足で10分の道を、ふたりで30〜40分かけて歩いているんです。今は車で登園させるよりも、こんな豊かな時間を優先させたいと思っています。


移住して良かったことは?

美和さん)
たくさんあります。一番はやりたかった自然農に取り組めるようになったこと。農業だけでなく将来はハチミツや石窯パンも作ってみたい。将来的にはビジネスに繋げられたらいいなと思っています。子どもたちも東京ではできない経験がたくさんできていると思います。

哲平さん)
住むこと、食べること、生きていくことの基盤ができたことですね。何よりも妻がずっとやりたかった農業ができる環境になったことが、僕にとっても嬉しいです。

仕事の日

6:00 起床
7:30 長女登校
8:30 次女と歩いて通園
9:00 ニワトリやヤギの餌やり 畑仕事
哲平さんは自宅で仕事
12:00 昼食
仕事
16:00 保育園にお迎え
17:00 夕食の準備、夕食、入浴
21:00 美和さんは子どもと一緒に就寝
23:00 哲平さん就寝

休みの日

6:00 起床
朝食
薪割りや畑仕事
12:00 昼食
家のメンテナンスや畑仕事
哲平さんは狩猟仲間と外出することも
18:00 夕食、入浴
21:00 美和さんは子どもと一緒に就寝
23:00 哲平さん就寝
松岡哲平 / 松岡美和さん

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