ログイン
HOME
INTERVIEW

「今の自分のままでも移住して良かったんだ」  肩の力を抜いて過ごす、心地の良い日々。

椛澤 亮 / 椛澤 幸世さん

東京都→尾道市向島
2022年4月
亮さん 経営支援会社勤務
幸世さん 島の食堂勤務

出会った人々に導かれるように、そして理想を一つひとつ叶えるようにして、向島へ移住した椛澤さん夫妻。人とのつながりや自然との触れ合いを楽しみながら、ゆっくりとマイペースな暮らしを楽しまれています。

移住しようと考えたきっかけは?

幸世さん)
主人は東京出身で、私は長野出身。2人とも東京に永住するということは考えていなくて、いずれどこか自然豊かなところへ引っ越せたらいいねと話していたんです。結婚を機に移住を具体的に意識するようになり、北海道から沖縄まで気になる土地をふたりで旅しました。
コロナ禍で主人が徐々にリモートワークできるようになったこともきっかけになりました。

亮さん)
10代の頃から「東京にはずっといないだろうなぁ」と思っていました。一人旅で尾道に来たことがあり、いいなーと感じたんです。いろんな場所に旅をしましたが、住むなら瀬戸内がいいかも、と漠然と考えていました。友人には「俺はいつか瀬戸内へ行っちゃうと思うよ」と話していたほどです(笑)。

尾道・向島を移住先に選んだ理由は?

幸世さん)
2021年の秋に行われていた、200を超える自治体が移住相談に応じるふるさと回帰フェア2021に参加。イベントの終了間際に広島県のブースの近くにいたので、「ここだけ話を聞いて帰ろうか」と立ち寄ったんです。相談員の森上陽子さんとお会いし、笑顔で対応してくれてとても良い雰囲気だったので、改めて予約をして話を聞きに行ってみようと思いました。

森上さんとお話ししたことで、移住に対する漠然としたイメージがぐっと現実的に。片道交通費支援制度など、移住に至るまでの支援についても教えてくれました。
人との出会いとか相性って大事だと、移住までの準備を通して感じました。森上さんは、こちらの思いをしっかり受け止めてくれて、つなぐところはガッチリつないでくれたので、とても頼りになりました。

22年1月に尾道、広島市、宮島、安芸太田町を訪れました。安芸太田町も自然豊かですごく素敵だったのですが、車が欠かせない生活環境が私たちにとっては少しハードルが高いような気がして。向島は山もあって、海もあって、自転車があれば渡船で尾道市街地まですぐに行けます。「ここならすぐにでも生活できそう!」と感じました。

亮さん)
森上さんからは、コワーキングスペース・ONOMICHI SHAREの後藤さん、尾道ブルワリーの佐々木さんご夫妻、尾道市役所の奥さんなど、いろんな方を紹介していただきました。森上さんがとても明るくて気さくな人柄で、広島での暮らしや仕事を楽しんでいる姿にも刺激を受けました。
紹介していただいた皆さんだけでなく、たまたま立ち寄ったパン屋さんなど、向島で出会った方がみんないい人で。一人旅で訪れた時にも感じたんですけど、やっぱり尾道っていいなと思いましたね。

仕事上、Wi-Fi環境とセキュリティが心配でしたが、ONOMICHI SHAREのセキュリティ環境がすごく充実していたので安心できたし、自然にまつわる趣味を充実させたい気持ちがあったので、向島にはその素材がいっぱいあるのも魅力でしたね。

幸世さん)
2022年1月下旬に、島の不動産屋さんのサイトで理想的な古民家を見つけたんです。賃貸が良いというこちらの条件にも合うので、2月にさっそく内見しました。
東京でのマンション暮らしは、家ではなく部屋に住んでいるような気持ちでしっくりこなくて…。「家」に住みたいという気持ちが強くあったんです。思い描いていた住まいとの出会いが、移住先を向島にする決め手になりました。

移住に対して不安はありませんでしたか?

幸世さん)
尾道には、クリエイターや手に職を持つ方が多く暮らしているイメージがあって。 移住を機にもう一度自分と向き合いたいと考えている私にとっては、自分の道が定まった方たちに囲まれたコミュニティは辛い環境になってしまうかもしれないという不安はありました。
不安が解消されたわけではないけれど、理想の家と出会ったことで、叶えられる部分から叶えてしまえばいんじゃない?って思ったんです。実際に移住してみたら、今の自分のままで大丈夫でした。

この夏から、尾道市が主催している若者チャレンジ講座に参加しています。やりたいことが明確な方も、とにかく何かをやってみたい段階の方も、一緒になって考え悩む場です。講座を通して、異なる人生のステージでがんばる知り合いや友人がたくさん増えました。人それぞれでいいんだなって思えるようになりました。
小さな取り組みが少しずつ広がって、何か形になっていきそうな気がしています。東京にいた時より、孤独感はありません。

向島での暮らしはいかがですか?

亮さん)
ずっと犬を飼いたくて。移住と犬を飼うことを目標に、2人で貯金箱にお金を貯めていました。結局お金はあまり貯まりませんでしたが…、この夏、柴犬の紺(こん)を家族の一員として迎えました。
気候の良さは期待通りで、虫が当たり前にいる環境も良いですね。ハチやカマキリ、ナナフシが家の中に入ってくると、ここは天国か!って思うほどうれしい(笑)。

幸世)
東京の夏は湿気が多くて慣れなかったし、マンションはやっぱり風の通りもあまり良くなくて、「家」というよりは「部屋」に住んでいるような窮屈な感覚でしたが、ここでは家に住んでいる感覚になれました。古民家はすごく過ごしやすいです。窓を開けたら風が通って、体の力みがふーっと抜けるよう。
ご近所さんには引っ越しの時から気遣っていただいて、「うちで採れた野菜食べるー?」と分けてくれたり、町内の行事について教えてくれたり。地域の中で孤立することなく、心地よい距離感でおつきあいさせていただけるのが幸せです。

これからの夢を教えてください。

亮さん)
敷地内にある納屋を仕事と趣味の場として日々バージョンアップしていきたいです。
絵を描くのが好きなのでいつか絵本を制作したいし、養蜂や好きなハチミツを広める活動もしてみたい。
ハーブなどの植物が身近にたくさんあるので、ハーブウォーターや香水を手作りしたり。
趣味活動を充実させていきたいですね。

幸世さん)
まだ漠然としたイメージですが、自分が活動する居場所を作りたいです。そして、それが誰かのための場所にもなるといいなと思っていて。お店なのか住み開きのような場所なのか、どういう形になるかはまだ分かりません。
自分の居場所が誰かの場所になり、何か素敵なきっかけを生みだせたらいいな、向島で何か表現できたらいいなと思っています。

移住を考えている人へのメッセージをお願いします。

亮さん)
「まずは貯金をしてから」とか、お金を理由に移住を踏みとどまっている人も多いと思います。でも、お金のことは後から考えればいいから、とにかく移住しちゃえ!と伝えたい。
理詰めであれこれ考えていても、やってみないと分からないことだらけ。まずは移住してみて、ダメなら元の場所に戻ってもいいし、次の場所へ行ったっていい。
僕たちも最初から尾道に永住するという考えではなく、その時その時の気持ちを大切にしながら動いてみたから今があります。
仕事で悩まれている方も多いと思いますが、企業側の意識も変わりつつあるし、前例がなくても働きかけてみる価値はあると思います。

幸世さん)
私には何もない…そんな風にもやもやして悩んでいる人に伝えたいのは、今の自分を急に変えようと焦るのではなく、「海の近くに住んでみたいな」「古民家がいいな」という前向きな希望や本音を一つずつ形にしてみるのも良いということ。動いてみたら、思わぬところで人間関係が広がったりもします。
今いる場所で悩んでいることは、そのまま何もしなければずっと変わらないはず。どうせ悩むなら、まずは好きな場所へ行って悩んでみたら...って思うんです。私は向島に来てみてよかったです。

平日<夫・亮>

6:30 起床、愛犬と散歩、入浴(メールチャットチェック、読書、youtubeなど)
8:30 愛犬とご飯を食べて、軽く仕事済ませて尾道シェアに出社(自転車×渡船)
9:00 仕事
18:00 帰宅、仕事
20:00 夕食、仕事
23:30 入浴、就寝

平日<妻・幸世>

7:00 起床、ノートを書く
8:00 朝食
8:50 島の食堂に出勤
17:30 帰宅し、愛犬と散歩
18:30 夕食のしたく
20:00 家族で夕食
21:30 入浴、自分の時間
24:00 就寝

休日<夫・亮>

8:00 起床、愛犬と散歩してからご飯をあげる
8:15 入浴、朝食、製作活動
12:00 昼食、昼寝
14:00 家族で外出
17:30 外食
19:30 映画鑑賞
23:30 妻によるマッサージ
24:00 入浴、就寝

休日<妻・幸世>

8:00 起床、ノートを書く
8:30 朝食
10:00 愛犬とさんぽ
12:00 昼食
14:00 家族で出かける
17:30 夕食
19:00 帰宅、家事
20:00 入浴、まったり
24:00 就寝
椛澤 亮さん / 幸世さん

関連インタビュー

INTERVIEW

アビ 会員特典を利用する! 無料 会員登録
サポート窓口/お問い合わせ