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アヲハタ株式会社

フルーツが持つチカラを
国内外の人々に届ける
広島生まれのジャムメーカー

経営 食 / 竹原市

広島空港から車で約25分の竹原市。瀬戸内海に面した忠海地区に拠点を構えるのが、ジャムのトップメーカー・アヲハタ株式会社です。

1932年に瀬戸内のみかんを使った缶詰工場として産声を上げた同社は、原料となる農産物の品質と独自の製造技術を追求。低糖度ジャムや凍ったままで口どけのやわらかい冷凍フルーツなど、時代を先取りしたフルーツ加工品を世に送り出してきました。

2025年に新社長としてキユーピー株式会社出身の上田敏哉さんが就任。その後キユーピー株式会社の完全子会社化という節目を迎え、新たなトップと社員が並走しさらなる成長を目指しています。

UPDATE 2026/03/12

“果実そのもの”な冷凍フルーツで海外展開

中国とチリに原料調達・製造の拠点を持つアヲハタが現在力を入れているのが、海外展開の強化です。なかでも大きな可能性を感じているのが、独自製法で果実本来のおいしさや香り、甘さを際立たせたフローズンフルーツ。

上田社長は「冷凍果実は世界中で販売されていますが、アヲハタほど高い品質を誇る商品は他にないと自負しています。現地のニーズを調査しながら、中国や北米、将来的には東南アジアへと販路を拡大していきたい」と語ります。

2026年3月には中国に新工場が完成し、グローバル展開を加速させていく考えです。

また、国内でも若い世代や健康を意識する人々に向けた提案や商品開発にも注力。

「現代の社会では果物を食べる習慣が減りつつありますが、忙しい日常の中でも手軽に果物を楽しめる商品をお届けしたい。また、フルーツが持つ効能のエビデンスを取得していくことも必要だと考えています」。

同社は“ジャムのアヲハタ”から、“フルーツのアヲハタ”へと領域を広げています。

フタを開けた瞬間に伝わる、原料へのこだわりと技術力

アヲハタのジャムづくりの根幹にあるのが、創業時から受け継がれる「良い商品は良い原料から」「正直である」というスピリット。

国内外の産地から良質な果物を調達するほか、広島県三次市や中国・山東省にイチゴの研究所を設立。三次市の拠点では約150種類のイチゴを栽培し、遺伝子レベルでの研究に取り組んでいます。

「原料に対してここまで向き合っている企業は世界でも他にない」と上田社長。さらに、例えば製造過程で原料に問題を見つけた場合には、勇気を持って「使わない」という判断を下す姿勢が社員にも浸透しており、品質に対して真摯に向き合う企業文化が根づいています。

さらに特筆すべきは「香り戻し技術」という特許技術。

製造工程中に水分とともに逃げてしまう果実の自然な香りを商品に戻すことで、ジャムのフタを開けた瞬間にみずみずしくも濃密な香りが広がります。

2025年には、発売から55周年を迎えた低糖度ジャム「アヲハタ 55」を全品リニューアル。世界各地に広がる原料調達ネットワークと、原料のブレンドや製法を変えることで、日本初の取り組みとして新しいイチゴジャムを発売。春夏は「さわやかブレンド」、秋冬は「濃厚ブレンド」と、季節ごとに味わいと原材料の産地を切り替えています。

「異なる産地・品種の果実をブレンドして一定の味を届けるには、高い技術が求められます。気候変動が農産物に大きな影響を与える現代において、それが実現できるのはアヲハタの強みであり、誇りです」と上田社長は胸を張ります。

※ 2024年12月 アヲハタ調べ 日本国内に流通するジャムとして

人を大切にすることで始まる、新しい歴史

組織運営において、上田社長がもっとも重視しているのが「人づくり」です。

「幅広い視野でマネジメントができるジェネラリストを育成すると同時に、ものづくり企業にとって欠かせない技術力や開発力を持つスペシャリストの存在も大切にしていきたいですね」と話します。

海外赴任の経験も豊富な上田社長は、グローバル人材についてこう語ります。

「海外展開を担う人材に関しては、語学力以上に関心や適応力を重視しています。国籍や文化の異なるスタッフと働く上で、協調性は欠かせません。留学経験があればもちろん歓迎しますが、何よりも大切なのはチャレンジ精神。海外未経験でも『やってみたい!』という熱意を持った人を求めています」。

事業領域の拡大と自社商品の認知度向上を目指すアヲハタでは、スーパーのチルド売り場というニッチな分野の知見、コツコツと一次産業の研究に取り組む探究心、データサイエンスやマーケティングの専門知識など、さまざまな強みを活かして挑戦できるフィールドが広がっています。

経営層や管理職が集まるミーティングでは、あえて社長自身は言葉を挟まず、現場からの意見を言いやすい空気づくりを心がけているといいます。

また、上司と部下の個別面談を月に一度設け、個人目標を確認しながら丁寧にフォロー。社員が悩みを抱え込まず、前向きに業務へ取り組めるよう工夫しています。

さらに社内公募制度も導入しており、冷凍果実の北米展開構想も社員の声から生まれたプロジェクトだそうです。

「会社のビジョンを実現していくためには、“現在地”と“目的地”をこまめに確認し合うことが重要です。経営層から伝えることを惜しまず、同時に、常に聞く姿勢を持つようにしています。現場の声に気付かされることも多く、風通しの良い企業風土は私たち経営層にこそ必要だと感じています。社内コミュニケーションを密にとることで、社員にとっても自分は何をすべきかがはっきりする。そこから、“こんなことに挑戦したい”という思いが生まれてくるのではないでしょうか」。

93年もの歴史を持つ企業でありながら、常にフレッシュであり続ける…。そんなアヲハタの姿勢が伝わってきます。

風通しが良く、柔軟に受け入れてくれる職場

社員のNさんは、2023年に中途入社。

福岡県北九州市出身の彼女は、福岡市内の鉄鋼専門商社に16年間勤務し、経理・財務や営業事務の経験を積んできました。大学時代から食に関心があり、祖父の出身地である広島県・大崎下島を幼い頃から訪れていたこともあって、転職先は福岡県内に限らず、広島県内も視野に入れて探していたといいます。

アヲハタに入社した当初は、「異業種からの転職で、何を質問したらいいのかも分からないような状態でした」と振り返るNさん。それでも、「本当に優しい社員さんばかりで、どんなことでも丁寧に教えてくださるおかげで安心して仕事に取り組むことができました。同じ九州をはじめ県外出身の方も多く、移住してきた私にとっては心強かったです」と微笑みます。

働く中で、アヲハタが多くの魅力を持っていることを知ったという彼女。

「ジャム以外にも長く愛されている商品がたくさんあることや、原料へのこだわり、広島でイチゴを育てていることなどを、もっと多くの方に知ってほしいと思っています。そのために“こんなアピールができるのではないか”といったアイディアを上司や先輩に気軽に話せて、受け入れてもらえるところも魅力ですね。実務の中でも、より良く変えていきたい部分を少しずつ形にしていける雰囲気があります」。

風通しが良く、チャレンジしやすい職場環境であることを、日々実感しているそうです。

“瀬戸内のみかん”から始まったルーツを守る

Nさんは入社時の経理・財務を経て、今は原料調達に関わる業務を担当しています。

中国とのやりとりも多く、船の到着時期や納期の調整、農薬基準値を超えていないかの確認など細やかな対応が求められると同時に、動く金額は億単位にのぼるダイナミックな仕事でもあります。

「原料はアヲハタの根幹。そこに関われることが楽しく、大きなやりがいを感じます。お客様と直接接する仕事ではありませんし、商品づくりの現場に立つわけでもありませんが、財務・経理の時も有価証券報告書や決算書の作成に携わるなど、会社に貢献している実感があります」。

アヲハタでは資格取得に対する補助制度があり、Nさんも会社の支援を受けて日商簿記2級を取得しました。英語や中国語での業務もアヲハタで初めて経験し、翻訳ツールなどを使って対応しているという彼女。現在は貿易実務の資格取得を目指しています。

向上心を後押ししてくれる環境があることも、チャレンジ精神を重んじる企業ならではです。

印象に残っている商品を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「入社して最初に担当した、自社ブランド『レインボー』の「広島名物 かきカレー」です。『レインボー』がアヲハタのブランドであり、アヲハタが商品を製造していることを、もっと多くの方に知ってもらいたいですね。それからもう一つが、「ザ ジャム」シリーズのブルーベリー。竹原市・大崎上島産のブルーベリー100%のジャムで、祖父が隣の島・大崎下島の出身なので親近感もありますし、地元を大切にする企業なんだなと感じました」。

地元産の果実を使った商品づくりは、アヲハタが創業以来守り続けていることの一つです。

上田社長も「瀬戸内のみかん缶詰やマーマレードからスタートした会社ですから、柑橘をはじめとした地元の農産物、そして作り続けてくださっている地元農家さんを支えていきたいという思いがあります。自分たちだけが儲かるのではなく、生産者や消費者の皆さまにも喜んでいただける“三方よし”の会社であり続けたい」と語ります。

真っ白なゲレンデ、のどかな海を満喫!

竹原の隣町・三原市で、父と二人暮らしをしているNさん。プライベートもアクティブです

冬は毎週末のように、恐羅漢など県北のスキー場へ出かけるのだとか。「福岡に住んでいた頃から、雪質の良い広島のゲレンデへ毎週のように遊びに来ていたんです。夏はウィンドサーフィンをしに、同じく広島県の坂町まで来ていました。しまなみ海道やとびしま海道をドライブするのも好きです」。

アヲハタの休日や勤務体系について「夏季休暇があるのはうれしいですね。前職はカレンダー通りの勤務で、まとまった休みが取りづらかったんです。決算期などは残業もありますが、コアタイムなしのフレックスタイム制なので、ほかの日に早く帰るなど調整もできます。午前中に私用を済ませてから出社できるのもフレックス勤務の利点ですね」と話します。

移住して良かったことの一つが、通勤環境の変化だというNさん。

「満員電車での通勤がなくなったので心に余裕が生まれました。福岡は公共交通機関が発達している分、ラッシュアワーは押し潰されるほどで…。今は渋滞もほどんどない車通勤で、瀬戸内海を眺めながら通勤しています。のどかな海景色は、毎日見ていても飽きないですね」。

一方で、地方ならではの注意点も率直に教えてくれました。

「三原市は在来線も新幹線も停まりますが、やはり三原・竹原は車社会。車の免許は必須だと思います。買い物などで広島市内に出るときも、車のほうが便利だと感じています」。

40歳からの挑戦で、毎日が充実

40歳で転職を決意したNさん。生まれ育った地元、16年間勤めた会社…。慣れ親しんだ環境を離れるのは、やはり不安もあったといいます。

「でも、このままでいいのかな…という気持ちを抱えたままでは、目の前の仕事にも本気で向き合えなくなってしまう。迷うのは、やりたい気持ちがあるからだと考え、思い切って転職と移住を決めました」。結果として、得るものは大きかったと振り返ります。

「新しい職場でスキルアップできていますし、収入も前職より上がりました。福岡時代と生活コストはそれほど変わらないので、可処分所得が増えたのはメリットですね」

「お醤油の味だけは慣れなくて、福岡から取り寄せています」と笑うNさん。

「今はオンラインで、どこにいても必要なものが手に入る時代。変えたくないところは変えずに暮らせることに気付きました。行動する前にあった不安も、少しずつ消えているのを実感しています」と穏やかな表情で語ってくれました。

ジャムだけでなく、ロングセラー商品であるホイップやスプレッド、キユーピーから生産を受託する介護食も好調で、製造ラインの増強を予定するアヲハタ。

創業以来変わらない「安心・安全」な商品づくりを通して世界に飛び立ち、創業地の広島も支えていく…。そんな誠実さと野心を併せ持った企業では、安心して新しい一歩を踏み出せるはずです。

会社情報

会社名 アヲハタ株式会社
設立 昭和23年(1948年)12月
所在地 広島県竹原市忠海中町一丁目1番25号
URL https://www.aohata.co.jp/
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