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INTERVIEW

瀬戸内海の穏やかな海に惹かれ海軍など歴史ある呉に移住。 旅先で大好きになった広島で地域貢献したいです。

中村 憲二さん

東京都→広島県
2018年3月
1985年三重県生まれ 一般社団法人 街のフタ協会 理事

東京でプログラマーの仕事をしていた中村さん。大好きなアニメの世界を体感したいと、舞台となった竹原や大崎下島など訪れたのをきっかけに広島の街が大好きになり、2018年広島にIターンした。現在は、地元工芸品のPR活動を行いながら、大学時代に学んでいた地震予測研究の知識を活用して、災害対策に役立てたいという夢を持っている。

移住のきっかけを教えてください

三重県で生まれ、高校卒業まで地元で過ごしました。大学時代は静岡、社会人になって東京に出て、6年間プログラマーとして働いていました。趣味は旅行とアニメ。学生時代からアニメの舞台となっている場所を旅する聖地巡礼をしていたのですが、『たまゆら』の舞台となった竹原、『かみちゅ!』の舞台となった尾道を訪れる機会があったんです。竹原も尾道もアニメで描かれている世界観がそのままで、とても不思議な感じがしました。瀬戸内海の穏やかな雰囲気や日本の原風景を彷彿とさせる広島の自然にとても心惹かれたのが移住を考えはじめたきっかけです。

生まれ育った伊勢志摩の街に雰囲気が似ていたのも、一因だったかもしれません。東京で忙しい日々を過ごすより、落ち着いた広島で生活したいと考えるようになったんです。
また、東京で仕事を始めてからもずっと、自分自身の根底に地域のために貢献できる仕事がしたいというのがありました。プログラマーの仕事は、スキルは上がっていきますが、毎日が同じことの繰り返し。新しいことに挑戦したいという思いも強くなっていました。家族や友人に相談すると「自分の好きなことをしたほうがいい」と背中を後押してくれました。そんな時、たまたま目にしたニュースで、地域に移住している若者が多く、支援施設があるというのを見て、広島の支援施設をインターネットで探すように。いろいろ調べたところ「ひろしま暮らしサポートセンター」の存在を知り、すぐに足を運びました。

移住を決意してどのように準備を進めましたか?

広島県に移住すると決心するものの、仕事はまだ何も決まっていませんでした。有楽町のサポートセンターで、地域貢献や地域を活性化できるような仕事がないか相談したところ、関連したような仕事は非常に少なく、希望通りの求人はなく…。いくつか提示してもらったのですが、ほとんどが現職と同じシステム開発関係だったんです。それだと東京で仕事をして、広島には旅行で遊びに行けばいいという話になりますよね。しばらくして、都内で開催された広島県が主催の「移住フェア」に参加しました。

市町ごとに相談ブースがあって、そこで不動産コンサルタントなどを業務とする「Live Ocean」が、地域貢献に力を入れているという話を教えてもらいました。広島県の呉市に本社を置く「Live Ocean」まで面談に伺ったところ、社長と意気投合して。気づいたら3時間半も話し込んでいたんですよ(笑)。次の面談時には具体的な仕事内容を詰めることになり、2回目に広島に行ったときは、家探しも同時に行って、サポートセンターから紹介してもらった物件を見てまわりました。希望していたのは収納が広く、かつ充実した生活を過ごすためにも部屋数が多いところ。東京では錦糸町駅前の1Kに住んでいたのですが、旅先で購入したお土産やご当地グッズなどが増えて、置く場所がなくなっていたので。

広島と呉、どちらに家を借りるかも悩みましたね。会社も呉にあるし、都会すぎず、自然がたくさんある呉に住もうと決心。結果、東京の1Kよりリーズナブルな家賃で4LDKの部屋を借りることができました。呉は買い物するところもコンパクトにまとまっているし、電車で30分もあれば広島市内に行けるし、とても快適ですよ。

今はどんなお仕事をされていますか?

現在は、地元工芸品の販売促進に携わっています。具体的には呉の川尻で作っている「古羊毛」を使った化粧筆を扱っています。飛行機で機内販売しているのですが、納品までのメールのやり取りから、PRのため、県外に出張に行くこともあります。また、街のフタ協会の理事として、観光の発展のためにデザインマンホールを街に設置する活動もしています。
プログラマーの仕事はシステム開発がメインでしたので、完成しても目に見えないところがあり、充実感に欠けていましたが、今の仕事はやればやっただけダイレクトに結果が残せて満足感も高く、やりがいを感じます。

PR活動では異業種の方と出会うことがとても増えました。東京でプログラマーとして働いていたころは、開発チーム内の人との付き合いが主で、関りも薄かったんです。広島は知り合って間もない方が体調を気遣ってくれたり、声をかけてくださったり、人とのつながりが暖かいなと思います。
今の仕事に変わって時間の使い方も圧倒的に変わりました。以前は残業が月に80時間を超えることもあり、忙しい時期は終電で帰ることが続くことも。時間に追われているような感じで体調も悪くなり、ストレスを抱えていたと思います。今は定時で帰宅できますし、余裕を持って過ごすことができるようになり、自分の時間も増えたことはよかったなと。

実際に広島で働き、暮らしてみてどうですか?

僕はグルメなんですよ。これまで、三重、静岡、東京と様々なところで暮らしたのですが、広島はとにかく食べ物がおいしい! 東京は全国の名産をいつでもどこでも食べることができますが、その分値段が高い。広島は瀬戸内の牡蠣をはじめ、ミカンやレモンといった柑橘など、新鮮な食材や旬の味覚を手ごろな値段で味わうことができ、そこはすごく魅力ですね。
ほかにも、通勤スタイルが変わりましたね。入社したての頃は、バスで通勤していました。ただ、2018年7月の西日本豪雨災害で道が寸断しバスが使えなくなって。しかたなく自転車での通勤に切り替えたら、これが意外にハマって。周囲の景色も楽しめるし、運動にもなって思わぬ発見でしたね。なので、復旧後もよく自転車を使って移動します。家から会社まで25分ぐらいしかかからないし、朝ゆったりしてから出かけられるのも、今では心のゆとりにつながっています。

広島で新しくスタートさせたことはありますか?

実は広島に来て、一つ夢がかないました。それは猫を飼ったこと。家探しをしたときもペットが飼える物件をお願いしていました。会社の社長にも猫と一緒に住みたいという話をしていたら、知り合いの方に頼んでくださっていて、すぐに里親になりませんかという話がきたんです。猫と一緒に暮らすようになって、あまり寄り道せずにすぐ家に帰るようになりましたし、自分の体調にも気を配らないといけないと思うようになりました。僕が風邪で寝込んでしまうと、世話ができなくなりますからね。まだ飼い始めたばかりなのですが、フスマを破ったりして本当にヤンチャ(笑)。でも帰るとすぐ膝に乗って甘えてきて、とにかく可愛いですね。

こちらに移住してから両親にも遊びに来てもらいました。元々東京で仕事が大変だったのを知っていたので、移住に関しては賛成してくれました。広島にも一緒に家族旅行をしたことがあって、広島の良さを体感してくれていたのだと思います。先日来たときは、東京よりはゆっくり出来ると喜んでいて。年末年始を実家で過ごすか、僕の家で過ごすかという話になるくらい、気に入ってくれています。

これから広島でどんなことをやっていきたいですか?

大学院の時、地震予測の研究がテーマで、修了後も個人的に研究を続けています。生まれ育った三重県は常に大きな地震がくると言われています。祖父母から昭和東南海地震の話を聞いてはいたのですが、実際にはじめて大きな地震を体験したのは阪神・淡路大震災のときで。当時は今のように情報がすぐには入ってこなくて不安でした。大地震の前兆現象をキャッチし、また、情報発信できればこのような甚大な被害を軽減できるのではないかと当時感じたことが、地震予測の研究をしたいと思ったキッカケです。あれから20年以上がたちました。

豪雨等の情報は目に見えるものが出て、避難など早めの対策が取れますが、地震予測情報はまだ一般の方々が防災・減災に活かせるレベルのものは世の中に出ていません。そんなこともあって、予測システムやアルゴリズムを考えて可視化し、精度の高い予測を情報発信したい。将来的には地域に特化したものを提供して、災害対策に役立てばいいなと思っています。
プライベートでは、もう少し猫と一緒の生活に慣れたら、呉の海岸線や島を自転車で走って景色を楽しみたいです。広島で特に気に入っている場所は大崎下島の御手洗。以前そこの旅館に泊まったとき、シーンと音がないほど静かで心の底からリラックスして過ごすことができました。北陸地方にもよく旅行しますが、日本海は荒々しくて少し怖い感じがします。瀬戸内海は島に囲まれ、穏やかなところが心地いい。こんな風景の中を自転車でプチ旅できるのも、広島ならではのレジャーですよね。

移住希望者へメッセージを!

移住を決断したら、即行動に移すことが大切。考えているだけだと、何も変わりません。何のために移住したいのか、目的をはっきりと持つことも大切です。まずは移住先の生活や、移住に関してどのぐらいの費用がかかるのか下調べしておくべき。「ひろしま暮らしサポートセンター」では生活のこと、仕事のことなど詳しく教えてもらえるので、分からないことは何でも聞いてみるといいと思います。また、仕事に関しても一方的に退職するのではなく、納得してもらった上で退職するのがベスト。僕は移住する1週間前までプログラマーの仕事を続け、会社にもきちんと説明し理解を得て退職しました。移住を成功させるコツは自分の意思はもちろん、自分の周りの人から賛同を得ること。「広島で万が一失敗したら戻ってこい。中村なら頑張れるよ」と東京でお世話になったみんなが応援して送り出してくださったことに、今では本当に感謝しています。

平日

7:30 起床
8:00 猫と遊ぶ、朝ドラを観る
9:00 出社
18:00 退社(定時は18:00)
19:00 猫の世話
20:00 夕食
21:00 風呂
21:30 自分の時間(うたた寝してしまうことも)
1:00 就寝(1:00から3:00まではラジオを聴きながら寝るのが習慣)

休日

7:30 起床
8:00 猫と遊ぶ
※土曜日は広島の観光名所を巡るなど外出することも多い。
※日曜日は地震予測の研究とプログラミング、アニメ鑑賞やゲームなどして基本的には家で過ごす。
18:00 帰宅
19:00 猫の世話
20:00 夕食
21:00 風呂
21:30 自分の時間(うたた寝してしまうことも)
1:00 就寝
中村 憲二さん

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