HIROBIRO.ひろしま移住ストーリー2021 〜先輩移住者からのメッセージ募集〜 HIROBIRO.ひろしま移住ストーリー2021 〜先輩移住者からのメッセージ募集〜

広島は穏やかな時間をくれる街

ヒロさん
会社員(正社員)
兵庫県から移住
30代後半

私は家族が大好きです。
そしてそんな大好きな家族と穏やかな時間を過ごさせてくれる、この広島の地も大好きです。
まだまだ広島歴は4年と短いのですが、自分の人生の中でもとても濃密な時間を過ごせています。
なぜ今これだけ幸福感に満ちているのか。
今回は良い機会なので、広島に来た経緯とその時の心境、また実際に移り住んでどう感じたかを綴ってみようと思います。

広島に来て感じたこと

私が広島に来てまず感じたこと、それは
「あぁ、穏やかな街だな。」
ということでした。
決して悪い意味ではないです。
私の故郷である愛媛県と似たような雰囲気を感じ、どこか懐かしさを覚えました。
広島には海があり、そして山もある。
市の中心部は栄えていながらも路面電車が走っており、古さと新しさが融合した趣のある街並みです。
そして街のいたるところにあるお好み焼き屋さん。
古いものから新しいもの、大きいものから小さいものまで様々で、でもどこを見ても美味しそうなお好み焼きが並んでいます。
昼も夜もたくさんの人で賑わい、街にはいつだって楽しそうな笑い声があふれていました。
その街並みや人々の笑い声に故郷の面影を感じ、私は初めて来たとは思えない感覚に陥りました。
それまではせかせかした関西の街で暮らしていたので、広島ではとても穏やかな時間の中で過ごすことができたのです。

また、広島の人たちにもたくさん癒されました。

  • 方言がかわいらし
  • のんびりした人が多い
  • カープ愛が凄い

広島の人はこのようなイメージです。
愛媛の人たちとも通じるところが多く、居心地の良さを感じました。

関西人の特徴はというと、

  • 関西弁がきつくて怖い(悪気はないですが)
  • せっかちな人が多い
  • 阪神愛が強すぎる

と広島とはまるで真逆で、慣れるまでかなり苦労したものです。
それだけに、広島の人たちと話しているとペースが乱れることもあり、自分がすっかり関西に染まっていたことに気づかされました。
今では私もすっかり広島県民となり、中途半端に抜けた関西弁でカープの話や街のお店の話をしながら、日々を楽しく過ごしています。

広島に移り住んだ理由

私が広島に来たのは、2018年3月のことでした。
きっかけは転職です。それまでは兵庫県に住んでおり、トヨタ系のカーディーラーで自動車の営業マンをしていました。
ちょうど10年目を終えようとしている時で、役職もついており中堅スタッフとして奮闘している毎日です。
自動車の営業は決して楽な仕事ではありません。
土日は必ず仕事ですし、平日のお休みの日でもお客様から連絡が来れば休日出勤することもしばしばあります。
大変な毎日でしたが、周りの人にも恵まれ何とか楽しく働けていました。ではなぜ転職に踏み切ったのか。
それは『子供が産まれたから』です。
もともと私は愛媛県出身、妻が広島県出身で、兵庫県で出会い結婚したためそのまま兵庫に住んでいました。

二人で暮らしているときは自由気ままな生活です。
平日が休みだとどこに行っても空いているため、むしろありがたく感じていました。
でも、子供が産まれてから生活は一変します。
当たり前ですが何をするにも子供中心の生活となり、妻はパートとして勤めていた会社を辞め、育児に専念することとなりました。
初めての育児に四苦八苦し、疲れがピークに達した際には子供を連れて広島の実家に帰ることも。
それでも何とか頑張っていたのですが、今後さらに家族が増えた際にはもっと大変になるだろうと思い、どうにかしたい気持ちがふつふつと湧いてきていました。
そんなある日、家でのんびりしていた時に会社から電話が入ります。
「担当のお客様にトラブル があったので、至急対応して ほしい。」
その時、私の中の何かが弾けました。
「休みの日でもゆっくりできない」
「子供との時間をもっと大切にしたい」
そう強く思った私は、転職を決意します。
そしてどうせ転職するのなら、『妻の地元である広島に行こう』と誓ったのでした。思い立ってからはすぐ行動。
仕事をしながらも、平日の休みを活かして転職活動です。
日帰りで広島に行って面接したり、最終面接では日帰りで東京に行くこともありました。そして 無事に広島での採用が決まったのです。
その時の妻の嬉しそうな反応は、今でも忘れられません。
私以外には誰にも頼ることができず、毎日の子育てに本当に疲れきっていたのでしょう。
広島に移ることが決まってからは、妻の両親に物件を探してもらい、退職の準備と引越しの用意を整える日々です。
そして2018年3月8日、私たち3人は無事に広島へ移住したのでした。
今は土日にしっかりと休める仕事に就き、妻の実家のすぐ近くに家も購入したので、安心して子育てができる環境です。
妻の妹夫婦も近所にいるので、よく身内で集まって食事したり遊びに行ったりもします。
兵庫にいた時よりも、家族に笑顔が増えました。

広島に来た時の心境

私はこれまでの人生、18年間愛媛で育ち、その後14年間兵庫で過ごしました。
周りの人たちにも恵まれ、とても仲の良い友人や同僚にかこまれた日々を過ごしてきました。
そのため、妻の家族以外は誰も知り合いがいない、縁も所縁もない広島に移り住むことは、正直なところ不安は大きかったです。
何せこれまで積み上げてきた人間関係や会社でのキャリアを全て捨て、また一から始めなければなりません。
今になって改めて家族や友人と話していても、あの時よく決断したなと言われます。
ただ私は当時32歳で、環境を変えるなら今がラストチャンスだと感じていました。
だからこそすぐ行動に移せたのでしょう。
私の中では何よりも、『家族との時間を大切にしたい』という想いが強かったのです。
「人間関係なんて、自分ならどこへ行っても良い関係を作れるさ」
という変な自信もありました。
大切な家族さえ幸せでいてくれたら、自分のことはどうとでもなると本気で信じていたのです。
実際に広島に来てからは、むしろこれから始まる新しい生活にとてもワクワクしていました。
これからどんな人と出会い、どんなお店に行き、どんな充実した時間を過ごせるのか。
広島に来た時の私は、明るい未来を夢見て、とても希望に満ち溢れていました。
「自分のこれからの人生、この街で一生を過ごしていくんだ」
と決意もしたのです。
そして今、私は広島で毎日充実した日々を送っています。

広島でのこれから

改めて振り返ってみても、広島に来たことは本当に正解でした。
お互いの実家が遠い兵庫で暮らすよりも、妻の両親がすぐ近くにいる今の環境の方が、家族に安心と幸せをもたらしてくれます。
私の実家も兵庫にいた時より近くなったので、帰省しやすくなりました。
仕事は土日が休みなので予定も組みやすく、家族との穏やかな時間が過ごせています。
10年勤めた会社を辞めて広島に来て、本当に良かったと心から思っています。
そしてそう思わせてくれるこの広島の街が、私は本当に大好きです。
路面電車が走る街並みも、潮の香りがする海岸も、雨の日はちょっと不安になる山々も、ボリュームたっぷりのお好み焼きも、あたたかい広島の人たちも、みんな大好きです。
これからもっと、いろんなところが好きになっていくのでしょう。

今は子供がもう一人増え、家族4人で毎日にぎやかに暮らしています。
広島に来るきっかけを与えてくれた長男は、ときおり広島弁を喋るようになっていてとても愛くるしいです。
そんな子供たちの成長を見届けることが、広島でのこれからの生活で一番の楽しみです。

  • これから広島のどんないいところを発見できるか。
  • 子供たちはこの広島でどんな人間に成長していくのか。
  • そして私は、広島にどんな恩返しができるのか。

そんなことを考えながら、これからもこの広島の街で、私たち家族は穏やかに過ごしていきます。

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